『気分』
□空回り絡まる
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――着いた先は、とある駅。
この駅の近くにはお店とか色々あるから、学生が軽く遊ぶには丁度良いくらい。
…うっ、私の苦手な匂い……
「ねぇかりんちゃん!クレープどれが良い?」
「…遠慮しときます。」
「そんな遠慮しないで!」
「佐々木はクレープ苦手なんだよ。」
「あ、そうなの?」
「クレープ苦手な女子とかいるんだなぁ。」
「先輩、ありがとうございます。」
「お前いつもなら自分でビシッと断るのに、どうかした?」
「いえ…甘い匂いで気持ち悪くなりそうで……」
「あぁ、なるほど。次からは気をつけるよ。」
「すみません……」
そっと、先輩の服の裾を掴んでついていった。
「…なぁ、かりんちゃんって絶対佐藤のこと好きだよな?」
「だろうな。佐藤は気付いてないのか?」
「馬鹿だろあいつ。」
様子を見つつ距離を少し取ってから、残念な男子二人組みは話していた。