サ ク ラ サ ケ !
□新選組。
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「全員揃ったな?」
「副長、平助がいません」
「…呼んでこい」
斎藤は無言で頷くと、足早に広間を去った。
「また平助は寝坊かぁ?」
「新八、てめぇが言えることかよ」
「ははっ確かにな!」
新八はにかっと白い歯をちらつかせ、笑顔を輝かせる。
そんな様子に、新選組の副長である土方は眉間に皺をよせ、ため息をこぼす。
「お前ら、幹部としての自覚を持て」
「土方さん、そんなに皺よせてると、もっと老けますよ」
「………」
「それから、ため息ばかりついてると、幸せも逃げまよ。あ、逃げる幸せもないか…」
「総司、てめぇ…!」
真っ黒な笑顔で沖田はさらっと言ってのけた。
土方は眉間に皺を刻むところか、後ろに般若さえ見える。
「相変わらず賑やかだなぁ。仲が良いことは素晴らしいことだ」
そんな様子を見守り、陽気に笑っているのがこの新選組の局長、近藤である。