サ ク ラ サ ケ !

□着物。
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『ぐぅ…ちづ…る…!ぐ、るじい……!』



「え?……ごめん!締めすぎた!」





千鶴は慌てて帯を緩める。
か、可愛いから許すけど…
何か、中身が出るかと思った……!


『ふぅ…』

締めすぎたってことは…私は千鶴よりもウエストが、ふ…ふ…太いってことだよね…!

ちょっ、ちょっと、気を付けよう。









「はい。できたよ」


『ありがとう!』


「髪も結う?」


『お願いいたします!』


千鶴は丁寧に私の髪を結ってくれ、この時代の私が完成した。






「萌恵……」



『ん?』









「可愛いっ…!」


『わわわっ…千鶴…?』


着物を着、髪を結った私を見つめ、ぎゅっと抱き着く千鶴。

ちくしょう…!可愛いのはどっちだ…!













「萌恵」

『こ、今度はどうしたの?』


真剣な眼差しの千鶴。
私、何かしたかな…!?




「萌恵は女の子として此処で生活するんだから……気を付けてね…。何かあったら私が守るから…!」



『……………』



私の肩をがしっと掴み、決意したような千鶴の瞳。

ちょっとちょっと…!
私が千鶴を守るつもりだったんだけどおお!












『ち、千鶴だって女の子でしょ…?私も千鶴を守るから!』


「萌恵…」


『私頑張るから、いろいろ教えてね』


「うん…!」


私たちは手を取り合って微笑み、そして力強くうなずいた。
女の底力を見せてやる…!
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