はじまりのとき
□イケメン。
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ツナの言葉を遮るようにして現れたこのイケメン。
『ひひひひ雲雀さん…?うわぁ…本物…!』
「うわぁとは失礼だね、君」
『す、すいません…』
ちょっと!
すごいかっこいいんだけど…!
怒られたけど…それでもかっこいい!
頬に熱が集中するのがわかる。
「恵美…?」
ツナが真っ黒な笑みをこちらに向けている。
『あっ…はははははっ』
怖い。
「話してもいいかな。僕は群れるのが嫌いなんだ」
『は、はい…存じ上げております…!』
静かにしないと咬み殺される…!ので静かにしよう。
「さっき赤ん坊に頼まれて部屋を見てきたんだ。そこに10年後の君はいなかった。それから…」
赤ん坊…ってリボーンだよね?いつの間に頼んだんだろう。
「君がいた痕跡が全くなかったよ」
『痕跡?』
「君だけでなく、君が使っていた物全て消えていた」
「どういうことだ?」
「存在が消えた…か」
『………………』
10年後の私はいったい何をしているのだろう。
私のことなのに私は何もわからない。
「ま、お前はここにいるんだし、いいんじゃねーか?」
「こんの脳天気野郎…!」
『あはは……』
何かこのやりとりにも慣れてきたな…。