はじまりのとき

□やってしまった。
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『ん……』

あれ、私寝てた?ふと時計を見る。
あ…可愛い鳩時計。




じゃなくて…1時間くらい寝ていたみたい。



『んぅー…っ』

伸びと欠伸をひとつ。
ふっかふかのベッドでの寝心地は最高だった。



『はー……』

暇だなぁ。探検にでも行こうかな。
みんなのお部屋も見たいし…。

























そんな軽はずみな気持ちで部屋を出たあの時の私を殴りたい。














『ちょっ…こ、来ないでぇぇぇー!』




暇だった私は雲雀さんのアジトの前まで来ていた。
勝手に入ると咬み殺されそうだから、ちょっとだけ見学をして引き返すつもりだった。

引き返すつもりだったんだけど…!




「どうして逃げるんだい?」


『追いかけるからですー!』


「違うよ。君が逃げるから追いかけるんだよ」


へ、屁理屈!


『わわわっ…』


雲雀さんから逃げられるわけもなく、簡単に捕まってしまう。
壁に追い込まれた私。
ピ、ピピピピーンチ…!



「大体、恵美が僕のアジトに足を踏み入れたんじゃない」


『ち、違います!ちょっと躓いたんです…!!』


「踏み入れたことには変わりないよ」


自分の足に躓いてアジトに思い切り踏み込んだ…というか突っ込んだ私。
そこに運悪く雲雀さんが通りかかったっていうオチ。私のバカ…!




「本当に小さいね」


『ひ、ひひひ雲雀さん…!』
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