TOA
□君の痛みを下さい
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なぁ、どうしてそんな顔してるんだ?
──痛いよ…。腕、そんなに強く掴んだら。
あぁ…、止めてくれ!殴らないで!痛い!!痛いよ……!
口が切れたし、鼻血も出てきた。
──なんでこんな…
あれ?息するのってこんなに難しかったっけ。
そっか、俺今首絞められてんだ…。
ガイ、笑ってる?楽しいの?
楽しいのか……。
ガイの手が俺の気道を塞いで、ギリギリと音を発ている。
手袋ごしにガイの手の温度が伝わってくる。
──温かいなぁ…。
「──ヒュ…!……ぁ…ああ゛ッ、が…ッ!!」
喉から変な音してんな。頭ん中も霞んできた気がする…。
「ルーク、苦しいか?苦しいよな。
…お前、目の焦点合ってないぞ?ちゃんと俺の事見てくれよ」
苦笑しながらガイが言う。
だったら首絞めんの止めてくれよ。
「なぁルーク、解ってくれよ。
俺の苦しみをさ。死ぬ程苦しいんだよ…。
世界が救われても、お前がいないなんて苦しいよ。
苦しいだけなんだ。
だからお前も解ってくれよ。俺の痛みと苦しみをさ…」
そう言うとガイの手に更に力が入った。