恋に落ちた海賊王 夢小説
□似た者同士
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『「……………』」
今 シンと紫桜は、無言でじゃんけんをしている。
ずっと相子で、一向に勝負がつかねぇ…。
じゃんけん始めてから、なんだかんだでもう30分以上経ってんだがな…。何で相子ばかり出せるんだ?
気が合うってことなのか…?
「いい加減にしろ、紫桜」
『もう腕が疲れました…。いい加減負けてくださいシンさん』
「お前が引くべきだ」
『私は頭の働きが鈍いので、負け方が分かりません。自分が出したいと思ったものしか出せない…。
しかし、シンさんは頭が良い。とても賢いんですから、何を出せば負けるのかくらい…分かりますよね?』
「…」
紫桜…、自分のことを馬鹿だと言ってるが…、シンを煽ててるつもりか?
「なぁナギ兄、」
「あ?」
「あの二人…、ずっと相子が続いてんじゃん。
例えば、自分がグーを出そうと思っているってことは相手もグーを出そうとしてる可能性が高いってことになるから、グーに勝てるパーを出せばいいんじゃねぇの?」
「ハヤテ…、お前にしては好い線行ってる。
だが、あの二人はそんなこととっくに気付いてやがる。
その例えで言うと、お互いそう思ってパーを出すから相子になるんだ」
「うわっ、そこまで考えが一致してんのか!?何か気持ち悪っ」
「互いに相手の裏を読んでんだよ」
「こ、怖え…」
「あれ?ところで、何で二人はじゃんけんしてるの?」
「一つしかないシュークリームを取り合っているんですよ、ドクター」
「分けて食べれば良いのにね」
結局じゃんけんでの勝負はつかず、シュークリームをドクターに半分にしてもらって二人で食ってた…。
シンと紫桜は何かと似通っている。
風呂場に行けば鉢合わせ、文句を言えば声が揃い、じゃんけんをすれば永遠と相子が続く…。
食の好みから言動、思考まで 良く似ている。
『シンさん!これは私がナギさんに作ってもらったハンバーグですよ!?』
「これがお前のだという証拠がどこにある?取られたくなければ名前でも書いとけ」
『どうしてハンバーグに名前を書く人がいるんですかっ』
「こら、また君達は食べ物で喧嘩して…」
『でもソウシさん!今回は明らかにシンさんが悪いです!私のハンバーグ取ったんですから!!』
「だから これがお前のだという証拠がどこにある?」
『この野郎…!』
「何だ?やるのか?」
パァン
そして同時に銃を発砲…。
「し、シンさん、紫桜さん!落ち着いてください!」
「『うるせぇ下っ端は黙ってろ!!」』
「う、ひどいです…」
似た者同士
似過ぎてるってのも面倒だな。
End.
20110618.