Character

□キャラトーク
22ページ/57ページ

【閃の親睦作戦】


幸村紫桜
「…閃」

花京院閃
「ん〜?どうした紫桜」

幸村紫桜
「お前、田中を敬え」

花京院閃
「へい?」

幸村紫桜
「お前田中より年下だろ。田中に敬語使え」

花京院閃
「それは命令か?」

幸村紫桜
「命令だ。従え」

花京院閃
「ハァハァハァ」

幸村紫桜
「きめぇ!!何興奮してんだ!!」

花京院閃
「でも歳で言ったら、紫桜はいいの?田中くんと桐野くんより年下だよね」

幸村紫桜
「私は良いんだ。何故なら奴らの飼い主だから。貴様は飼い犬だろ。飼い犬同士仲良くしやがれ」

花京院閃
「飼い犬…俺が紫桜の…ハァハァハァ」

幸村紫桜
「黙れきめぇ!!お前は犬共の中じゃ一番新しく入った下っ端。一番の後輩だ!先輩であっても年下である島田とひなげしはいい。田中にだけは敬語を使え。奴は一番の年長者だ」

花京院閃
「うん、分かった。ところで桐野くんはいいの?紫桜一回も桐野くんの名前出してないけど」

幸村紫桜
「桐野?あぁそんなのもいたな」

花京院閃
「なんだ桐野くんは紫桜の一番のお気に入りか」

幸村紫桜
「はぁ?」

花京院閃
「扱いが雑であればある程気に入ってるだろ?好きな子を虐めたくなる感覚に近いのかな」

幸村紫桜
「知ったような口を聞くな。…桐野はいい。順応能力に長けるから、お前の様なド変態にも適応する。…ってかあいつも変態だし」

花京院閃
「妬いちゃうなぁ。桐野くんの事よく分かってるんだ?」

幸村紫桜
「犬の事理解するのは飼い主の務めだろ」

花京院閃
「そっか。じゃあ俺の事も理解して」

幸村紫桜
「うぜえ」

花京院閃
「ちなみに紫桜が一番最初に会ったのって誰?」

幸村紫桜
「島田」

花京院閃
「次は?」

幸村紫桜
「ひなげし田中桐野の順」

花京院閃
「ふーん。島田くんが一番先輩なんだー」

幸村紫桜
「そーだよもううぜえ。とにかくお前は田中を敬い、その他には後輩である自覚を持って接しろ。いいな」

花京院閃
「うん、オッケー」

幸村紫桜
「全く。あの四人は仲の良さだけが取り柄なのに、お前が入る事でギスギスしちゃ面倒なんだよ」

花京院閃
「………」

幸村紫桜
「? 何か言え」

花京院閃
「好き」

幸村紫桜
「っじゃなくて!!」

花京院閃
「いや紫桜も仲間同士仲良くして欲しいとか思うんだなーと思って」

幸村紫桜
「…うるさい。もう寝ろ」

花京院閃
「うん おやすみ。愛してるよ」

幸村紫桜
「うぜぇ!おやすみ!」




という事で閃の親睦作戦が始まった。

〜田中の場合〜


花京院閃
「田中くん 何してんのー?」

田中仁兵衛
「…。…厨房に立ち、包丁を握っているんですが」

花京院閃
「あははーうん、料理だよねー普通に考えて」

田中仁兵衛
「何か用ですか」

花京院閃
「うん、実はねー紫桜が仲良くしろって言うんだよねー。俺がいる事で険悪になんの嫌だって。でもぶっちゃけ俺のこと嫌いっしょー?」

田中仁兵衛
「…正直言って、印象は最悪です」

花京院閃
「だろうねー。あ、田中くんを敬えって言われてたの忘れてた。でも敬うってどーすんだろ。田中くんどう思う?」

田中仁兵衛
「…敬うとはすなわち尊敬する事。識見や行為などが優れていると思えなければ無理な話です」

花京院閃
「えー俺田中くんのこと尊敬してるけど?」

田中仁兵衛
「…」

花京院閃
「頭いいじゃん。俺 闇医者とか嫌いなんだよね。これでも一応医者だから。でも田中くんの治療は見てて的確だし、その為の勉強も怠らない。俺には師匠がいたからね、独学であそこまで出来るのは正直驚いたよ」

田中仁兵衛
「はぁ」

花京院閃
「上から物言う様で悪いけど、医学に関しては俺もプロだからさ」

田中仁兵衛
「…」

花京院閃
「…田中くんって無口だよね」

田中仁兵衛
「…」

花京院閃
「あと料理?田中くんの料理めちゃうまじゃん?」

田中仁兵衛
「…料理の腕は 花京院さんの方が上だと思いますが」

花京院閃
「何で?料理に上も下もないっしょ。誰だって失敗はするし、だんだんと上手くなってくもんだし、何より大事なのは 食べてほしい人がいて、その人の為にどれだけ愛情込められるかって事じゃない?」

田中仁兵衛
「………」

花京院閃
「田中くんの料理、最初食べた時めっちゃ愛情こもっててマジで美味いと思ったよ」

田中仁兵衛
「…どうも…」

花京院閃
「あ、照れてる?」

田中仁兵衛
「別に…」

花京院閃
「紫桜に対する愛情と、仲間に対する愛情があの味を生むんだよね きっと」

田中仁兵衛
「花京院さんの料理も美味いですよ」

花京院閃
「でも機械的っぽくない?」

田中仁兵衛
「機械?」

花京院閃
「何つーか、作らされてる感じ?田中くんのが愛情込もった家庭料理だとしたら、俺のはレシピ通りに作られた店で出される料理って感じかな」

田中仁兵衛
「あー…、分かる気がする」

花京院閃
「でしょー?俺料理始めたきっかけってのがさ、とりあえず働けって言われたからなんだよねー。だから大人数の為に嫌々レシピ通りに作ってたの」

田中仁兵衛
「へぇ。半ば強制されたのか」

花京院閃
「田中くんは?」

田中仁兵衛
「俺は…、家族に食ってもらいたくて作り始めた…な」

花京院閃
「やっぱり〜そんな感じ!だから俺そんなん長年やってたもんだから癖になっちゃって、愛する人の為に作る事になってもイマイチ温かみに欠けるんだよねー」

田中仁兵衛
「その癖まだ抜けないのか?」

花京院閃
「抜けたと思ったんだけど、田中くんの料理食った時にまだダメじゃんって気付いた」

田中仁兵衛
「…そうか」

花京院閃
「だからさ、俺のこと嫌いかもしんないけど、料理作んの手伝わせてくれない?」

田中仁兵衛
「え?」

花京院閃
「前にどっちが飯作るかで揉めた時、紫桜は交互に作れって言ったけど、俺は田中くんと一緒に作りたい」

田中仁兵衛
「…」

花京院閃
「そうすれば俺のも温かみのある料理になれる気がするんだよね」

田中仁兵衛
「花京院さんの料理は今のままでいいと思うけどな」

花京院閃
「それってダメって言ってる?」

田中仁兵衛
「いや。一緒に作ることは俺も賛成だ。その方が捗る」

花京院閃
「イェーイ。じゃあ早速やるよ。何作ってんの?あ、待って当てる。ピーマン大量に刻んでるから…青椒肉絲?」

田中仁兵衛
「あぁ」

花京院閃
「オッケー!今日は中華ね!」


数分後、


田中仁兵衛
「待て、それは入れるな。ひなちゃんが嫌いなんだ」

花京院閃
「やだよ、これ入れないといい味出ないから」

田中仁兵衛
「やめろひなちゃんが食えなくなる」

花京院閃
「甘いんだよ田中くんは。好き嫌い言わしてちゃダメっしょ」

田中仁兵衛
「いいから入れるな。そもそもそれは俺が作ってた一品だ」

花京院閃
「手伝ってんだから手加えたっていいでしょ」

田中仁兵衛
「勝手なことするなって!」

花京院閃
「勝手ってなんだよ!一緒に作るってこういう事だろ!」

田中仁兵衛
「うるさい!もう出てけ!ここは俺の厨房だ!」

花京院閃
「ぜってー出てかねぇ!一度了承したんだから今更言うな!」

田中仁兵衛
「―――」

花京院閃
「―――」


幸村紫桜
「(…田中が声張って言い争うところは初めて見た…)」


✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚

雛罌粟の場合桐野の場合

✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ