『罪と囚シリーズ』―螺旋の刺

□白薔薇の炎は、貴方を想い尽かす
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――天神界・エデンの城・執務室


「まったく…」


眉間に皺を寄せて、仁王立ちをしているのはウリエルだった。
床に正座させられているのはウリエルと同じ七大天使であり、七大天使の長『ミカエル』だった。


「私が休んでいたのは、別に悔しかったからじゃありませんよ。どの辺を聞き間違えたのか解りませんが、ゼウダー卿に関しては今後私が関わる必要性が無いと判断したのです。一度交えれば解りますしね…それを、ミカエル…」


「…ぅっっ」


「『ゼウダー卿にこっぴどく交わされて、ウリエルも悔しい思いがおありでしょう。ですから、彼が城に来た時はゼウダー卿の話は禁句ですよ』って…部下達に言い聞かせる上司が何処にいるんですか!お陰で朝方大変だったんですからね…」


ぴくぴくと眉を動かすウリエル。
不機嫌な声が執務室に響き渡った。見ないフリをしていたガブリエルとサリエルがミカエルに視線を向ける。
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