『罪と囚シリーズ』―螺旋の刺

□螺旋の棘…(前編)
1ページ/4ページ

――天神界・エデンの城・上層部


「誠で…ございますか」


エデンの城の上層部では、会議が開かれていた。一人の男の発言に皆が唖然とする。

男は言った。

亡き弟が廃止した『天使融合実験』を実行すると宣言した。


「何だ?怯えてるのか?」


アクアマリン色の双眸が細まり、周りにいる者を沈黙へ追いやる。

今は亡き神王『ギリセ』の兄に当たる『クラエル』は神々の世界では“貪欲の神”として有名だった。
有無を言わさないのが彼であり、反論などしたら明日は無いと噂されているぐらいだ。
今、この場で『天使融合実験』に関して反対派が居たら命は無いと思った方がいい。


「亡き弟であるギリセは度胸が無かっただけだ。『失敗したら』という不安が大きく、一歩踏み出せずに廃止した。だが、俺は違う…」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ