『罪と囚シリーズ』―螺旋の刺

□螺旋の棘…(後編)
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【ガブリエルside】


今更ながら後悔している。
力の差は圧倒的だが、対峙してでも阻止すれば良かった。


「あぁぁぁぁ…っ」


「夜中から五月蝿いよ。ガブリエル」


「サキエルは心配じゃないのかよ!」


思わず吐いてしまったのがいけなかった。深緑色の瞳が鋭く睨みをきかす。


「…心配に決まってるでしょう。けど、ゼウダー卿にはどう対峙しても力の差が歴然さを物語っているんですよ!あの方は、アルザリ卿と並ぶ力の持ち主であり、魔王の右腕なんですよ。僕達では到底敵うハズがありません」


鳴呼、そうだ。

力の歴然さを物語っていた。
大天使である自分が非力に感じてしまうくらい。ゼウダー卿が内に秘める魔力は溢れ出ていた。

魔界帝国侯爵の地位に付いているのだと改めて思わされた。
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