『罪と囚シリーズ』―螺旋の刺

□螺旋の棘…(後編)
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――魔界・ティーベル邸・バルコニー


「ゼウダー…どいゆう事だっ!」


ダンッと、テーブル越しに体を乗り上げ、目の前で優雅にブランデーを飲むゼウダーにシイガは問い詰める。


「…」


「俺の好きにしろと、ソナタは言った。なのに…」


シイガが怒っている理由は、ラファエルの件だった。
同朋である彼は自分に『好きにしろ』と言った。だから、思う存分堪能しようと矢先にラファエルの体を包み込んだのは彼のペットだった。


「…シイガ、お行儀悪いですよ」


「…っ」


「で、ゼウダー…応えてあげないのですか?同朋が楽しんでいる最中に、邪魔した件について…」


半ば呆れ顔のアルザリは二人の仲介に入る。黙ったままのゼウダーを横目にした。
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