『罪と囚シリーズ』―螺旋の刺
□螺旋の棘…(後編)
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ラファエルを返したのは条件が成立したからだと捉えていいのだろうが、シイガ自身は納得いってないのだろう。
行為途中を邪魔されたら、それは自分だって苛立ってしまう。しかし、例外もある。
見ても解る様に、今日のケースはゼウダーの問題だからだ。
珍しく自分から言い出した彼が同朋のシイガを連れて行き、ウリエルを誘き寄せる為だけにラファエルを利用した。
そこでウリエルとゼウダーの条件、または契約が成立した結果。
「あの短時間で、本番までいけなかったソナタが悪いのであろう。我は、目的を果たしたのでラファエルを返したまでだ…」
「なっ」
「我に当たるのは間違っているぞ、シイガ…」
口を開いたと思えば、これだ。
「こ、今宵のゼウダーは…変だ。絶対に変だ…アルザリ…」