『罪と囚シリーズ』―歪曲の杯と死の宴

□大天使讃歌
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子供とは好奇心旺盛で何事にも興味津々だ。ちょっとした事が対象になってしまう。

例えば、今の状況がそうだ。


「…急に居なくなったら、俺がウリエルに怒られてしまう」


「――…ごめんなさい」


大天使ウリエルの愛息子『ハヅキ』。
それが、少年の名前だった。

母親譲りのエメラルドグリーン色の双眸は光の反射で金色にも見える。


「ガブリエル…さん」


「んぁ、起こしてしまったか」


「近くで話されたら、誰だって起きますよ…」


木の幹に背中を預けて寝ていたサリエルが背伸びをした。


「やぁ…ハヅキ」


ガブリエルに掴まえられているハヅキの頭を撫でる。


「お母様が帰って来た様だよ…」


「えっ!」


「やべぇ…殺される…」


にっこりと微笑みながら言うサリエルの言葉にハヅキは目を大きく開いた。
その一方で、ガブリエルは慌てる。
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