『罪と囚シリーズ』―歪曲の杯と死の宴

□貴方にしか頼めない約束
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単に逢いたくなったと見込むべきか、他に理由が存在するのか。
シイガは思考を張り巡らせる。


「天神界での不穏な動きも気になるんですが、今はウリエルですかね。突然…『逢いたい』なんて天変地異を起こす勢いですよ」


伝言を伝えた弟のイルアですら驚きを隠せないでいたのだ。


「当の本人が嬉しさを表した顔をしていたもんだから、触れられなかったとか…」


「それは…さぞかし…ご機嫌が宜しい様で…」


「今宵は雪が降るかも知れませんね」


天気に左右されやすいゼウダーの機嫌。
散々、雨を降らせた後は雪を降らす予定らしい。アルザリとシイガは小さな溜め息を吐いた。

機嫌良く帰ってくにしても、悪くなって帰って来るにしても結局は天気として現れる。
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