『罪と囚シリーズ』―歪曲の杯と死の宴

□息子
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苦渋の判断をしている。

片親がどちらかに存在するなら、安全な方法を選ぶ。
そう、自分もハニエルが下界か魔界に居るなら決断を鈍らさない。


「本当…ハヅキが知ったら…」


――…憤怒するだろうな


幼さ故に解らないとはいえ、ハヅキは立派に母親と父親の性格を引き継いでいる。
他者なら解らないが、自分の位にもなれば判断は出来る。天神界の門番“ウリエル”と魔界帝国侯爵“ゼウダー”の血を引いているだけあり、キレる時は静かにキレるタイプ。

母親であるウリエル似

澄ました表情は父親であるゼウダー似…


それを踏まえているからこそ、魔族との闘いは避けたい。
だが、叶わないのだろう。


「セレス嬢とラリマ嬢が…君に…果たし状を出した…」


本来なら目を瞑ってやるのかも知れない。でも、今回のケースは目を瞑れる様子じゃないのは百も承知。
ゼウダーの愛娘、セレスとラリマからの果たし状。
受け流してくても、受け流せないだろう。

ハヅキが関わっている以上…
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