『罪と囚シリーズ』―歪曲の杯と死の宴

□息子
4ページ/6ページ

【サキエルside】


君にとって、ハヅキは世界で一番大切な宝。

『ハヅキ…』


自分の命を犠牲にしてでも護りたかったんだろう?

僕は何も文句は言わないよ…

きっと、同じ事を考えるだろうから。


『サキエル…愛してるわ』


彼女が同じ運命を辿ったなら、僕は迷わず堕ちるさ。一人にさせるなど考えていないからね。


「はぁ…ミカエル達に怒られてしまうね」


僕はサイドテーブルに預かった果たし状を置いて部屋を出た。
本当は『行かせない様に説得してこい』と言われたのに。約束破ちゃった。

今回ばかりは怒られても良いや…


だって、ウリエルにとっては大事な件だから。ハヅキが関わっている以上、目を瞑って無視など出来る訳ないよ。

ウリエルは…
母親なのだから。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ