『罪と囚シリーズ』―歪曲の杯と死の宴
□息子
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【サキエルside】
君にとって、ハヅキは世界で一番大切な宝。
『ハヅキ…』
自分の命を犠牲にしてでも護りたかったんだろう?
僕は何も文句は言わないよ…
きっと、同じ事を考えるだろうから。
『サキエル…愛してるわ』
彼女が同じ運命を辿ったなら、僕は迷わず堕ちるさ。一人にさせるなど考えていないからね。
「はぁ…ミカエル達に怒られてしまうね」
僕はサイドテーブルに預かった果たし状を置いて部屋を出た。
本当は『行かせない様に説得してこい』と言われたのに。約束破ちゃった。
今回ばかりは怒られても良いや…
だって、ウリエルにとっては大事な件だから。ハヅキが関わっている以上、目を瞑って無視など出来る訳ないよ。
ウリエルは…
母親なのだから。