『罪と囚シリーズ』―歪曲の杯と死の宴

□息子
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ウリエルの為にも行かせる事が先決なんだ。ハヅキの母親は彼一人しかいない。

僕達が代われないんだよ…
これだけはね。


ドアに背中を凭れさせ、耳を澄ます。
僕が出て行ったのを確認した君は、サイドテーブルに手を伸ばす。
手紙を読んだ君は、重たい体躯を起こし、窓を開けて出て行くのだろう。

それを悟った僕は…


「……っ、ふぅ…」


一人、泣いてしまうんだ。


――…悔しいあまりに。


拳をギュッと、強く握り締め、僕は顔を上げる。


君がハヅキを今でも護りたいのは解るよ。
それで良いと思う。ハヅキの母親だもん…

その代わり…
僕達は君を護るよ。

『馬鹿ですね…』と困った表情をしたとしても譲らないからね。

親友の特権として!
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