『馬鹿でも、恐怖に思う…』
□頑張れ、僕。
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幼い頃のハヅキは可愛かったって聞くし。何より、兄様が頬を緩ますくらいだったとか。
「それは…下半身害虫が…」
父親を『下半身害虫』って…
兄様、死んだ父様が浮かばれません。
というか、ミカエルさん達が肩を震わしながら笑いを堪えている。
「笑いたかったら、笑いなさい…」
「…っ、く」
「ぶふっ…」
合図の如く、一斉に吹き出す。
皆…涙目。
僕は小さな溜め息を漏らした。
こうなったら、兄様に伝えたい事も伝えられないや。
――…諦めるしかないか。
なんて、少し思っていると…
「はい、そこまでです。母様が昔から素直じゃない事は十分に解りましたから…」
両手をパチンっと叩くハヅキ。
「大事な話に入っても宜しいですか?」