『馬鹿でも、恐怖に思う…』

□頑張れ、僕。
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瞳を細め、優しい表情をしている。
僕もつられて微笑む。

はたから見れば、感動の兄弟愛で涙するんだろうけどね。

僕…
今、見てはいけないものを目に入れたかも。

どうか夢であって欲しいなって、ハヅキに視線を逸らすと。ハヅキは空笑いをして視線を逸らす。
良い雰囲気の中、兄様の足元には光魂であるミカエルさんが居た。



兄様って、こんな黒かったけ?


「ハヅキの為にも…幸せにならないといけませんね…」


ミカエルさんが呻いていますよ。
ねぇ、兄様…


非常に痛そうなんですけど…


「ハヅキぃ…助け…てぇ…」


「ごめんなさい、ミカエルさん。そのまま散って下さい…」


「ふぇっ、ひどぃよぉぉぉっ…」


「魔界の平和の為にも、ミカエルさん一人が犠牲になるだけで良いんです。どうぞ、逝って下さい!」


助けを求めるミカエルさんにハヅキは一礼をした。

この子…
良い笑顔で。


『逝って下さい』って言ったよ。


この時、僕は心の中で呟いた。

兄様の遺伝は恐い…


別の意味で、頑張らなければいけなくなった僕であった。
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