『馬鹿でも、恐怖に思う…』
□頑張れ、僕。
6ページ/6ページ
瞳を細め、優しい表情をしている。
僕もつられて微笑む。
はたから見れば、感動の兄弟愛で涙するんだろうけどね。
僕…
今、見てはいけないものを目に入れたかも。
どうか夢であって欲しいなって、ハヅキに視線を逸らすと。ハヅキは空笑いをして視線を逸らす。
良い雰囲気の中、兄様の足元には光魂であるミカエルさんが居た。
兄様って、こんな黒かったけ?
「ハヅキの為にも…幸せにならないといけませんね…」
ミカエルさんが呻いていますよ。
ねぇ、兄様…
非常に痛そうなんですけど…
「ハヅキぃ…助け…てぇ…」
「ごめんなさい、ミカエルさん。そのまま散って下さい…」
「ふぇっ、ひどぃよぉぉぉっ…」
「魔界の平和の為にも、ミカエルさん一人が犠牲になるだけで良いんです。どうぞ、逝って下さい!」
助けを求めるミカエルさんにハヅキは一礼をした。
この子…
良い笑顔で。
『逝って下さい』って言ったよ。
この時、僕は心の中で呟いた。
兄様の遺伝は恐い…
別の意味で、頑張らなければいけなくなった僕であった。