『罪と囚シリーズ』―螺旋の刺
□プロローグ
1ページ/1ページ
――天界・蒼の谷
「かあさまぁぁぁぁぁぁ…」
岩壁に響き渡る幼き少年の声。
「ごめんなさい、ごめんなさい…ごめんなさい…ハヅキ」
金髪の髪をした男性が瞳を瞑りながら、必死に謝る。
「――…許して」
涙を流しながら男性は、その場から走り去っていく。
私の愛しい御子よ。
罪深き、母を許さないで下さい。
貴方を護ると決めた。
例え、誤謬(ごびゅう)だとしても…。
貴方を喪失うくらいなら、魔界へと堕とした方が賢明。
彼と出逢ってくれる事を…。
心から願っております。
――…ごめんなさい、ハヅキ。