『罪と囚シリーズ』―歪曲の杯と死の宴

□雷の響き…
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――魔界・プリゾ邸・書斎部屋


「ここの所、雨続きなのは誰のせいですかね?」


酒を飲みに来たアルザリが愚痴を溢し、我へ視線を向けた。
魔界の空では雷が蠢きながら稲光を放っている。時折、ゴロゴロと音を鳴らしながら四方へ落ちていくのが見えた。

耳に聞こえるのは、ザァーザァーと降る雨の音。


「兄様…グラスに酒入ってませんよ」


「おや?いつの間に…」


一緒に来ていたアルゼスは、彼が手にしていたグラスを取り。ブランデーを注ぐ。
というか、コイツは嫌味を言いにきたのがバレバレだ。

魔界で雨が降り続いているのは…
我のせいだと言いたいのだろう。


「ゼウダーも、どうぞ」


「すまぬ…」


窓から見える大降りの雨を視界に入れながら、ブランデーを一杯煽る。
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