『罪と囚シリーズ』―歪曲の杯と死の宴

□貴方にしか頼めない約束
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――魔界・ティーベル邸・書斎部屋


「あれ?てっきり、此方に居るとばかり思ったのだが…」


首を傾げながらシイガがアルザリを見る。
彼が探しているのは留守中のゼウダーで間違いないだろう。


「ゼウダーなら、カミューと共に蒼の谷ですよ」


「カミューと共に?」


「えぇ」


珍しい組み合わせではないが、ゼウダーから蒼の谷に赴く事は暫くなかった。
理由は愛しの大天使ウリエルから逢うのを拒絶されたせい。それから随分な月日が経つ訳であり、ゼウダーも足を運ぶのを軽く止していた。


「…愛しき存在に逢える事を楽しみにしていましたからね」


「――…ウリエルから?」


「やはり、シイガも珍しいと思いますか…」

「あぁ」


逢うのを頑なに拒絶していたハズの彼からゼウダーを呼ぶとは、何の風の吹き回しだろうか。
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