『罪と囚シリーズ』―歪曲の杯と死の宴

□悲し音色に詩を添え、愛しき母の想い…
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――魔界・プリゾ邸・ハヅキの寝室


混沌の世界に浮かぶ月は妖しい紅き月。
天神界とは全てが異なる場所。

四歳の頃、僕は闇の世界で生きる事を決め、魔界帝国侯爵“プリゾ”の主である父様の元へ預けられたのが始まりだったりする。

今、不自由なく暮らせているのはアルゼス様のお陰。
堕天使が脱走していないかを見回っていた彼とたまたま巡り逢えたから、僕は此処に居る。


「昔々、この地上には白き人と黒き人が居ました…」


『白き人は草花を咲かし、生物を生み出し。皆が幸せになる世界を創りあげました。黒き人は罪を犯した者が堕ちる世界を創りあげました。それが…『天神界』と『魔界』の始まりであり、天使と悪魔の紀元です…』


幼い頃、母様がよく読んでくれた『天使と悪魔』の本。
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