『馬鹿でも、恐怖に思う…』
□頑張れ、僕。
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兄様の不機嫌な理由は解っていた。
時代が流れ、僕は既にシイガ卿と契りを交わし。一人娘を授かった。
例え…
兄様がシイガ卿を害虫だと思っていても。
シファには大切な父親だし、僕にとっては大切な夫だ。
普段は恥ずかしくって口にしたりはしないけど、兄様の前では隠したくない。
「久々の感触は昔を思い出させますね…」
「と、言いつつ…俺に『抱き癖が付くから、あまり抱かないで下さい』って釘を刺していただろう…」
「貴方は甘いからです…」
「あぁ、言えてるかも。ハヅキが『抱っこ』ってせがんだら、直ぐ抱っこしていたもんね…ガブリエルは…」
ガブリエルさんが叱られている姿が浮かぶ。既に御子を授かっていたミカエルさんからしたら、甘えかし度は半端なかったのだろう。