うぃっしゅ ふぉー しゃいん

□第一話
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どーも、千冬ちゃん、ただ今15歳です!
え、テンションが高いって?
だって無理やりにでもテンション上げないとやってらんないのよ!
お前赤ちゃんじゃなかったのかよって?
それは管理人が時間を飛ばしたからよ!
そう、時間が飛んだ、つまり元の生活に戻った訳ではないの。
そこのところ、誤解無く理解していただきたいわ。

まあ、この15年間で分かったことをまとめるとこんな感じになるわ。
とりあえず、どういう原理かは分からないけど、私は転生したらしい。
でもただの転生じゃない。
根拠は二つ。
一つ目、私には前世の記憶がある。
だけど死んだ記憶が無い。
この世界に来る前、私は女子高の通うごく普通の高校2年生だった。
二つ目、時代がおかしい。
ここはイタリアで、なんと19世紀!
なんと過去に来ている。
これらのことを総合すると、行き着く答えはただ一つ。
私はタイムトリップした上で転生したらしい。
「そんなバカなことあってたまるか!」と叫びたいし、何度も夢じゃないかと疑ったけど、16年間覚めない夢っていうのもなかなか非現実的。
状況証拠しかないし、私の主観・希望・偏見も多少なりとも含まれてることは否定しない。
でも今の状況はトリップ&転生としか言えないと思う。
まったく、どこの三流小説なのかしら!

まあ気を取り直して続けるわよ。
私はマリアと名付けられたわ。
フルネームはマリア・テンペスト。
はっ、大嵐に聖母を合わせるなんて笑っちゃうってのよ。

父親はテレカ・テンペスト、母親はクレア・テンペスト。
父親であるテレカはなんとテンペストファミリーというマフィアのボス。
主に麻薬の密売とその料金の不当な取立てによって富を得ている。
他人は自分のいいように利用するために、特に自分が儲けて権力を得るためだけに存在するなんて考えてる最悪なヤツ。
母親であるクレアはテレカの財産と権力、そして自分の外見にしか興味が無い。
人を人とも思わぬ扱いは、彼女こそが人外だと公言しているようなものだわ。

でもそんな二人にも弱点がある。
それが私。
まあ一言で言ってしまえば"親バカ"。
それがもうウザイことこの上ない。
ただでさえマリアで0才のときに千冬としては16才で、育てられることは拷問に近いというのに!
その上私は可愛かった。
サラサラでクセの無い緑の黒髪。
澄み渡るスカイブルーの瞳。
高すぎず、低すぎない鼻。
程よい厚みの、形のいいチェリーピンクの唇。
透明感のある、日焼けなど知らないような肌。
文句なしに可愛い。
これで私はブスだなんて言ったら世界中の女にナイフで刺されると思う。
そして性格。
もう分かってると思うけど、私はとてもじゃないけど、可愛い性格なんかしてない。
ただ私はこの16年間、ずっと可愛子ぶって過ごしてきた。
だって"マリア"だと思われてるのに"千冬"として振舞ったら明らかに不自然。
なんたって16才もの差があるんだから。
だから周りには容姿も、性格も可愛い子だと思われてる。
はっ、不愉快極まりないわね。
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