拍手ありがとうございます!
今回はランダムで三種類のお礼文を用意しています。
シチュエーションは三種類共通で飛行機内でのお話。
それでは、お楽しみください。
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フローラとGは真ん中に座っていた。
離陸後、フローラの顔色が悪いのに気がついた。
初めて飛行機に乗るから緊張している、というわけではなさそうだ。
痛みに耐えるように、膝の上の手を握り締めている。
「顔色悪いが、大丈夫か?」
『あ、G様、その、なんと言うか、耳が痛くて。』
「耳が?」
『はい、正確に言うと、耳の奥が痛いんです。』
言葉を切って唇を噛みしめるフローラの顔色は青白いを通り越して白かった。
そんなフローラの手に重ねるように、Gは手を添えた。
『G様?』
"手当て"
その語源は痛む場所に手を当てると快復するからだ。
理由は定かではないが、気を許した者に触れられてるから、患部が温まるから、はたまたリンパの働きが云々など諸説存在する。
という話を、千冬から聞いたことがある。
それを思い出したのだ。
いたわるように、包み込むように、フローラの耳をゆっくり撫でる。
「手当て、俺にはこれぐらいしかできねぇからな。」
驚いたように目をぱちぱちさせた後、フローラは花が綻ぶような笑みを浮かべた。
『ありがとう、ございます。』
そしてGの手に自分の手を重ねる。
頬には血色が戻り、表情もいくらか緩んでいる。
大丈夫そうだな、そう思うと自分の顔も緩んだのを、Gは自覚していただろうか。
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離着陸時って耳がキーンってなりますよね。
個人差があるようで、全然感じない人もいれば痛くて耐えられないという人もいるそうな。
フローラさんは繊細だからこういうの駄目そうです。
これ治すには"耳抜き"という方法があって、鼻を押さえたまま、鼻から息を吹き出すんです。
ただ、その時の顔は可愛くないのでこっそり実践してくださいね。
痛みが軽めなら唾液を飲み込むと治ります。
ただ子供はそういうの意図的にできないので飴を舐めるといいんです。
だからお子様用に、飛行機には飴が常備してあるそうです。
ではでは、ここまでお付き合いくださり、ありがとうございます!