Short story

□髮を切るために必要な物
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「今日はどんな感じに…」
「おまかせで。」

いつもの風景。何か可笑しいところがありますか?

「…何でいつもおまかせなの?」
「特になりたい髪形なんてないもん。」
「それでも女の子か…」
「何か言った?」

鏡越しに見える目はギラギラしている。
いえ…と呟いて、彼女の髮に触れる。
サラサラで触り心地のいいこの髪は、なんだかんだ言って一番きりがいのある髪の毛である。

いつものように鋏でバシバシ切っていく。

1ヶ月に一度というペース来るのにかなりのびている。逆にきりがいがあっていい。

「出来上がり。いかがですか?」
「さすがだね。上地君は。」
「最近シャンプー変えた?」
「えっ、分かる?」

いつもよりサラサラだったし、いつもと違う香り。

ほら、僕はこんなに君を見てる。


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