Short story

□馬鹿と年上とエレベーター
1ページ/6ページ


今日も遅くまで残業してしまった。あー体限界、早く布団にダイブしたい。

そう思いながらマンションのエレベーターを待っていると隣に人影。

「…」
「…」

同じマンションの人か。おぉ、若々しい。学生か?

そう思っていると、チンと音をならしエレベーターは扉を開けた。
無言で二人で乗り込み、また扉を閉じる。

その瞬間、バチンッと鋭い音が耳に響く。

「えっ?」

思わず声を漏らしたと同時に機械音のアナウンスが流される。

『申し訳ありません。只今機械にトラブルが発見されたため、一時緊急停止をしております。』

な、なんとぉぉぉおお!?!?

隣を盗み見ると、学生も驚いているのか目を見開いてアナウンスを聞いていた。

只今深夜の1時半…

眠いのになー…早く直してー…

「…あの、今何時か分かります?」

声の出所は紛れもなく隣の学生だった。
話しかけられるとは思ってなかったため、ちょっとドキ。

「あっ、あぁ…1時半ですね。」

そう伝えると、嬉しそうなその上困ったような表情をした。

「…しばらくは直りませんね。回復は朝になりそうです。」



えぇぇえええ!?!?


.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ