テニスの王子様book@

□【青学×四天宝寺storyC】 合宿という名の…
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大広間にて、朝食後のメンバー達は…










菊「あ〜ぁ。こんな雨じゃ練習も出来ないじゃんかぁ」

不「そうだね。ここまで土砂降りじゃ外にも出れそうにないよ」

桃「台風でも近付いてきてんすかねー」





やる気を無くした一行はそれぞれに言葉を漏らす





その側で





遠山「なんで雨やねん!練習出来へんやないかー!わいコシマエと試合したいんやー!」

忍足「うっさいで金ちゃん。青学さんにも迷惑やで」

遠山「せやかて謙也も思うやろ?」

忍足「そりゃっ…」

遠山「ほな、雨止ましてくれやぁ!」

忍足「無理やろ」







そんな二人のやり取りも周りは苦笑いで眺めていた









そこへ片付けが終えた名無しがメンバー達の飲み物をトレイに乗せて現れた









『この天気じゃ今日の練習は無理そうですね…』


残念そうに告げて名無しはまずは手塚にコーヒーを差し出し、他のメンバー達にも差し出す


手「…ああ。そうだな」

菊「ほんと、残念だにゃ〜…あ、ありがとっ」

不「ありがとう名無しちゃん」

桃「ほんとっすよ。お、サンキュッ」

『ははっ…』



それぞれの小言に苦笑うしかない




『はい、金ちゃん』

遠山「わいらにもあるんか?!おおきにぃ!あ…わいのはココアや!」

『金ちゃんはコーヒーよりココアが良いかなって』

遠山「おおきにぃ!名無しちゃん大好きやぁ〜!」

『ちょ、金ちゃんっ、大袈裟だって』




喜び私に抱き付いてきた金ちゃん

四天宝寺のメンバー達は前と変わらない光景に微笑ましく見ていた

だが、青学のメンバー達はというと…






菊「なんだよあれー!名無しちゃんは俺達の名無しちゃんだぞぉ?」

大「英二っ!」

越「俺もココアが良かった。贔屓っすよ」

大「え、越前っ…!」

桃「ちぇ〜…なんか納得いかねぇぜ、いかねぇよ」

大「桃まで…!」

不「仕方ないよ、短いとはいえ名無しちゃんは1年も四天宝寺で過ごしてるんだし。でも…妬けちゃうよ。ね?手塚?」

手「……そうだな」

「「え…」」





元の盛り上がりが戻ってきたところに白石が現れた





白石「なんや、騒がしいな。さっきまでとは大分違うやん」

遠山「白石ぃ!遅かったな、早よせんとコーヒー冷めてまうで〜」


遠山が白石を手招きで呼ぶ


白石「おん。」

忍足「名無しちゃんが用意してくれたんやで」

白石「そうやったん?…名無しちゃん、おおきに。それと、さっきのお粥も」

『あ、いえ。…それで奈々ちゃんの具合はどうですか?』

白石「ん?大丈夫や。熱も大分下がっとるし、もう少し休めば回復するやろ。」

『…っ』




心配して訊ねた私に微笑みを向けて

私の頭に優しく触れた白石先輩の手





蘇る

私を惑わさないで




大広間の騒がしい皆の声も遠くに感じるほどに心臓が高鳴った
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