テニスの王子様bookAshort
□学園祭の王子様
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私は氷帝学園2年の名無しさん名無し
本日は氷帝学園主催の他校との合同学園祭という大規模なお祭り
色んな出し物がある中
私のクラスは今や定番のメイド喫茶
他にもお化け屋敷や出店、中にはスポーツを取り入れた出し物もあった
学校それぞれに個性があり
とても賑わっていた
「名無し〜こっちも手伝って〜」
『はーい!ちょっと待ってね!』
慌ただしく準備をしていた
勿論既にメイド服で
少し恥ずかしい気はするが、決まってしまったものは仕方無い
そんな時
廊下が急に騒がしくなった
「名無しは居るか?」
『あ、跡部先輩っ?!な、なんで?』
廊下の騒がしさは学園一の人気者、テニス部部長であり私の彼氏である
跡部景吾だった
「何でとは何だ、俺が来ちゃ悪いのか?あーん?」
『いや、そういうわけじゃないですけど…』
「自分の女に会いに来るのに許可がいるのか?」
腕組みをしズカズカと教室に入ってくるなり私に歩み寄り顔を近付けて微笑んだ
付き合いはまだ半年程で、付き合ったきっかけは跡部先輩が私を気に入ったと一方的なものだったが私も少なからず先輩には惹かれていた
だから勿論OKを出したのだが
「おい、さすがにこれは短過ぎんじゃねぇか?」
『え?そう?でも準備されてたものだし、皆着てるよ?』
私のスカートに視線を落とした跡部先輩が眉間に皺を寄せて問い掛けてきた
私はそんな事はないだろうと返答したが納得いかないような表情で
「俺様だけが見るなら良いが、他の奴らに見せんのは許せねぇな」
と、また無理を言う跡部先輩
付き合い始めから既にこの調子
想われているというのは幸せな事だけど
たまにやりすぎる事も屡々
『と、とにかく、もうすぐ始まっちゃうし跡部先輩も忙しいでしょ?早く戻らないと…ね?』
周りの女子からの視線が痛いがため
跡部先輩から後退りをし離れる
だけど、跡部先輩は私の腕を掴み引き寄せた
『せ、先輩?!』
「あんまり俺様を妬かせんじゃねぇ…いいな?」
『…っ!?』
耳元で囁かれ頬に口付けをされた
驚き言葉を失い私はその場に硬直したまま
跡部先輩はそのまま平然と教室を出て行ったが
その後のクラスの女子からの殺気立った視線に私はただ堪えるのだった
(跡部先輩の馬鹿ぁ…)
溜め息を漏らした
そして学園祭という名の大規模な祭りが開幕