テニスの王子様bookAshort

□〜仁王雅治ルート〜
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教室に入ってきた仁王さんを私は無意識に見つめていた

彼の動きを目で追っていた



それを気付かせたのは



仁「どうかしたか?」

『!』



目の前で立ち止まり私を見下ろしていた仁王さん

私はハッとなり首を左右に振った




仁「面白いのぅ、お前さんは。初めて見掛けた時からお前さんとはよく目が合うナリ…」


小さく笑みを見せれば仁王さんは私の隣に腰掛けた


横顔…綺麗だな

髪も、綺麗な色…



また見つめてしまっている私

何故か目が離せない

仁王さんを初めて見た時から感じてた



柔らかな日差しを浴びて

銀色の綺麗な髪が揺れて

釘付けになった、あの時




仁「…ん?なんじゃ?何か言いた気じゃのぅ」



私があまりにも見つめていたせいか、ちょっと困ったような仁王さん




「!…すいません!」



恥ずかしくなって俯いてしまった




仁「…のぅ、お前さん」

「…?」



静かに言葉を発した仁王さんを見上げた



仁「俺が気になるかの?」

「………はい」



仁王さんの瞳から視線を逸らせずに

私の口は勝手に動き返事をしていた

すると、仁王さんは笑顔を浮かべ




仁「奇遇じゃのぅ…俺も、お前さんがずっと気になってたぜよ」

「ぇ……?」



突然の言葉

騒がしい周りの音や声が遠くに聞こえ

仁王さんしか見えていない私の視界




仁「名無し?」

「!…名前、覚えててくれたんですか?」

仁「当然じゃ。良い名前じゃからのぅ」

「そんな事無いです…」

仁「俺は好きぜよ?」

「!」



真っ赤な顔を俯かせた私は驚き顔を上げた



仁「お前さんの名前も、お前さん自身も……好いとうよ。名無し…」

「…仁王さん…」




五月蝿い心臓の音

息苦しさまで感じた

私、仁王さんが…好き…?





そうだったんだ

あの時から私は、仁王さんの事が

好きだったんだ





二人のハロウィンはお互いの気持ちを確認した日

そして

二人を結んだ特別な日になった








        *end*




 

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