テニスの王子様bookAshort

□〜跡部景吾ルート〜
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教室にズカズカと入ってきた先輩達の中に紛れて気品漂う跡部先輩の姿


何やら侑士先輩と話し込んでいるようで


私は先ほど挨拶も済ませてあるし、と


気にもせずに自分の手にある飲み物を口にした






跡「よう。ご苦労だったな。疲れたろ?」

「いえ!大丈夫です!」



突然声を掛けられ慌てて姿勢を正し

元気に返答した

それを見て跡部先輩はいつもの笑みで




跡「お前、本当に侑士の女じゃなかったんだな」

「え?だから違いますって言ったじゃないですか!私が相手だなんて侑士先輩に申し訳ないですから!」



私はまた必死に否定してしまった

その慌てようが可笑しかったのか、

跡部先輩は声を上げて笑った




跡「そこまで必死に否定するとは、侑士も可哀想な奴だな」

「いや、本当に申し訳ないってだけです」

跡「ま、そんな事はどうでも良い」

「え?」



跡部先輩はズボンのポケットに手を入れ堂々とした立ち振る舞いで私を見下ろした



跡「決めた。お前を俺様の女にしてやる」

「…………………………え?」




私は訳が分からず跡部先輩を見上げたまま目をパチパチさせていた





跡「名無し、お前を俺様のモンにしてやるって言ってんだ。有り難く思えよ、アーン?」

「!なんでそんな急に!?」

跡「急にじゃねぇ…俺様は前からお前に目を付けてた」



何故か自信たっぷりな笑顔を浮かべる跡部先輩

私の気持ちはまだ何も決まっていないというのに




跡「まさか、お前は俺様の女になれる事が嬉しくねぇのか?アーン?」




小さく眉間に皺を寄せて睨むように私を見る跡部先輩





「いえ、そうじゃなくて…その、私では役不足かと…」

跡「アーン?んなの問題じゃねぇよ。とにかく行くぞ」




急に私の腕を掴み引っ張り上げた跡部先輩





「わっ…!!行くってどこにですか!?」

跡「決まってんだろ…」

「?」




廊下に出たところで跡部先輩が立ち止まり私に耳打ちした






跡「二人になれる所だ」

「え!?あ、跡部先輩!?」








私に有無を言わさずな相変わらず俺様な跡部先輩



そんな彼にハマってしまう時が来るのだろうか












         *end*
 

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