テニスの王子様book@

□【青学×四天宝寺storyC】 合宿という名の…
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桃「あーもう!いつまで雨降るんだよ!暇で暇で仕方ねぇぜ!」

海「うっせぇぞ」

桃「んだとマムシ!」

海「あ?やんのか?」

大「待て待て!」

河「落ち着いて、二人とも」

越「でもほんと、いつまでこうしてなきゃいけないんすか?」

不「雨が止むまで、じゃない?」

「「……はぁぁ…」」





もう昼間

昼食の時間に差し掛かる頃

不満を漏らす面々を余所に

名無しは厨房に向かっていた





『はぁ…メニューを考えるのも大変だなぁ…』

桜乃「そうですよね。」

朋香「只でさえ大変なのに、メンバー増えちゃったし。量も倍じゃない」





そうやって廊下を進んでいると

向かい側から白石が歩いてくる

桜乃と朋香がぺこりと頭を下げると、微笑みを向けてきた白石

そして



白石「ちょっと名無しちゃん借りてもええ?」

『え?』

桜、朋「「は、はいっ」」



白石の微笑みに頬を染めた二人が慌てたように返事をすれば、先に行ってると、足早に厨房へと向かっていった



取り残された私は白石先輩をゆっくり見上げた


『…』

白石「久しぶりの再会やのに、まともに話出来へんかったから…迷惑やった?」

『…い、いえ。寧ろ白石先輩の方が迷惑なんじゃないですか?』

白石「ん?なんでや?俺から声かけたんや、なんも迷惑やなんて思うわけあらへん」

『そ、それはそうですけど…』

白石「…?」





私は、俯き顔が上げられない

奈々ちゃんの事ばかりが頭に浮かび

胸が痛む




名無しの様子に悲しげに目を細めた白石が口を開く




白石「堪忍な…」

『…え?』

白石「辛い思いしてるやろ?俺のせいで…」

『…そんな…』

白石「名無しちゃんとの別れ、…それからの事…奈々の事が知りたいんとちゃうか?」

『…!!』




そう、私が知りたいのは奈々ちゃんとの事

だけど、訊けるわけない

そう思って口にせず居たが

白石先輩からそれを言われたら




『…知りたい…です』











白石先輩が教えてくれた






私が四天宝寺中を去ってすぐ

1年生である奈々ちゃんがテニス部に現れマネージャーを希望してきた

あのメンバーのノリだ、すぐにOKを出され

すぐに馴染んでいった

そして、白石先輩への告白

白石先輩は戸惑ったけど

私と同じ標準語の彼女に惹かれていった

[今思えば名無しちゃんを重ねてたのかも]

と、苦笑いで言った白石先輩




そんな過去の話をされ

私の気持ちをどう察していたのか

白石先輩はまた悲しげな目を見せた

それでも私が一番知りたい事を意を決して問い掛けた






『…白石先輩は奈々ちゃんの事が、好き、なんですよね?』

白石「…おん、好きやで」














訊かなきゃ良かった

悔しさが増して

自分にも嫌気がさした
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