テニスの王子様book@

□【一途な想い@】
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彼に惹かれてから、すぐに彼の事を調べた

勿論、ストーカーにならない程度に



彼は私より一つ上で、今は3年生

高校でも変わらずテニスをやっている

友達からの情報だ


その仲良しの友達とも離れ離れになってしまったが

友達にも『頑張れ』と、笑顔で背中を押され勇気が出たんだ













「今日から宜しくお願いします!!」



私は元気よく挨拶をした

周りからは珍しいものを見るかのように注目され

「東京からやて」「へぇ、まあまあ可愛いんとちゃう?」

などと私を見ての感想らしき言葉が飛び交っていた





「宜しくね?」


私に用意された席の隣には、無愛想そうな表情で黒髪でピアスが目立つ男の子だった

明るく声をかけた



「…宜しくする事なんてないやろけど…」



私の事をチラリと見た彼は冷たく告げた

それでも怯まずに私は更に声をかけた



「名前、聞いても良いかな?」

「…財前光」

「財前君…私の事は名無しって呼んでくれて構わないから」

「馴れ馴れしい感じするし、名無しさんって呼ぶわ」

「そ、そう?まぁ、どっちでも良いけど。あっ、ね、財前君っ…「あの」…?」

「もう授業始まるんやけど、話後でもええ?」

「あっ!ご、ごめん…!」




夢中になりすぎて周りの変化に気付かず財前君の言葉によって、また注目を浴び赤面して俯いた


初日から恥ずかしい思いをしてしまった


だけど、これが切欠で財前君には私を印象付けていた


恥ずかしくて俯いて授業に必要な物を慌てて机に出した

そんな私の姿にクスッと小さく笑った財前君が視界に入った

変な奴だと思われたかな

ちょっとショックを受けたけど

こんな風に笑うんだなと気付けた




それからも、授業に集中しつつ

財前君に気を取られてしまっていた事に私は気付かなかった


よく見ればイケメンじゃん!?

なーんてね


私には″彼″が居るんだから

早く探さなきゃ

と、授業を聞いてるようで聞いていない私だった
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