テニスの王子様bookAshort

□わたしの王子様
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「あれ…」

「どうした、桃城」

「いや、あれって立海の…」


切原の姿を見かけた桃城が指を差して手塚に告げた


「それと、氷帝の子だね」

「彼女、とかかにゃ?」

「んなまさか〜」


不二が名無しの存在を微笑ましく告げれば菊丸が問い掛け、それを失礼な一言で流す桃城


「大方、道に迷った切原を案内してやってる、といったところか」


眼鏡をクイッと上げて推測をさらりと告げる乾


「多分そんな感じっすよ」

「いやー、それにしても…可愛いにゃ〜…」


興味ないようにどこかを見ながら言う越前と、名無しをまじまじと遠目から見る菊丸が言葉を続けた


(「「確かに可愛いな…」」)


それぞれに内心呟いていた








『ここですよ』

「おっ!やっと着いた!どーもっす!」

『どう致しまして』


微笑み浮かべて返答する名無しに暫し見とれる切原


「あー!こんなとこに居た!真田〜、居たぜ」

「げっ…!」


丸井がいち早く切原を見つけて真田を手招きで呼ぶ

それにマズいといった顔をする切原


「どこで何をしていたんだ!たるんどるぞ!」

「す、すいませんっ!副部長ー!」


予想通りに渇を入れられる切原を楽しそうに見ている丸井

そして、真田の視線が自然と名無しに向けられた


「面倒をかけたようだな。すまない」

『いえ。…あの、もしかして立海テニス部の副部長さんですか?』

「…?ああ、そうだ」


真田を見上げ問い掛ける名無しを不思議そうに見れば返答する真田


『赤也君が言ってた通りの人だったので、もしかしてって』


可笑しそうに笑って言う名無しを見て若干頬を赤らめる真田


「赤也が?何何?真田の事なんて言ってたの?」

「い、良いから!その話は!名無しちゃんも説明しなくて良いからな?!」


興味を示した丸井の問い掛けに名無しが答える前に慌てて制する切原

それを見て名無しは楽しそうに笑顔を浮かべて真田達を見た


『仲が良いんですね。見てて楽しいです。ぁ…じゃ、私はこれで』

「「…あ、ああ。」」


ぺこりと頭を下げてその場を後にした名無しの背を見つめる3人


「なんかバカにされたような…」

「…でも、そうでもないような」

「「(てか、可愛い…)…」」


見つめたまま呟き内心思っている事は一緒の切原と丸井


「…綺麗な笑顔だ…」

「「えっ!?真田(副部長!?)」」


頬を微かに赤らめ一点を見つめる真田が同じ思いを抱いたと気付き驚き真田を見る丸井と切原だった
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