恋に落ちた海賊王:ハヤテ

□affection
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1万打リクです。
ありがとうございます。



「affection」
ハヤテ目線で。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


 カチャ・・・・・・
 なるべく音がしないように、そっとドアを開けて部屋を覗きこむ。
 
 ☆☆はまだ寝てるみてぇだ。

 そのままドアを閉じて甲板に戻るつもりだったのに、オレは、中に入っていた。
 ベッドの側にひざまづく。

 静かな寝息を立てる☆☆を起こさないように、見守る。

 頬が、まだ少し赤い。
 吐息も、心なしか熱く感じる。

 掛け布から出てる手を、そっと握った。

「無茶しやがって・・・・・・」

 握った手を、自分の額に当てた。

 あんま心配させんなよ・・・・・・
 心臓、潰れるかと思ったんだからな。

 なんでオレ、こんなになるまで気付いてやれなかったんだろ。
 昨日だって、甲板掃除してるこいつのすぐ側にいたのに・・・
 倒れるまで不調に気付けないなんて、情けなさすぎだろオレ。

「・・・ぅ・・・」

 ☆☆が声を上げて、少し頭を動かした。

 暑いのか?

 額の濡れタオルを取ると、熱でほかほかになってた。
 ベッドサイドの洗面器でゆすいで、額に当て直してやる。

 ・・・・・・他に、何かオレに出来る事、ねーのかよ。

 出来るなら、代わってやりたい。
 こいつの苦しいのを、全部引き受けてやりたい。

 倒れたのが、オレだったら良かったのに。

 首筋が汗ばんで、後れ毛が濡れて張り付いていた。

 ・・・タオルと着替え、出しといてやろう。

 棚をごそごそあさって着替えを出して、タオルがないのに気付いた。

 洗い上がりのタオルがないか、トワに聞いてみるか。

 部屋を出ると、ちょうど医務室から出てきたソウシさんと目が合った。

「ハヤテ、☆☆ちゃんの様子どう?」

 ソウシさんがこっちへ歩み寄ってくる。

「まだ、熱があるみたいで・・・・・・」

「そう。今晩もう一晩ゆっくり寝たらだいぶ良くなると思うから、そんなに心配するな。」

 優しく笑いながら、肩をポンと叩いた。

「ハヤテがそんな顔してちゃダメだ。
 看病する側の不安は、敏感に伝播してしまうからね。
 もっと、ドンと構えてなきゃ。」

「オ、オレ、そんなひどい顔してました?」

「うん。まるで☆☆ちゃんが重病人みたいな。」

「・・・・・・」

「ハヤテは、ほんとに☆☆ちゃんが好きなんだなぁ〜。」

「え”!いや、違・・・」

「ああ、あと、病人は優しくされ過ぎなくらいでちょうど良い事もあるから、今日は☆☆ちゃんをうんと甘やかしてあげるといいよ。」

 ニコニコしながら自分の言いたい事だけ言って、うまく言葉にならないオレを置き去りに、ソウシさんは行ってしまった・・・

 ・・・いや、・・・オレ、そんなわかりやすい・・・?

「あれ、ハヤテさんどうしたんですか?そんなところに突っ立って。」

 畳んだ洗濯物を抱えたトワが、階段をおりて来た。

「お、トワ!いいとこに!タオルねーか、タオル。」

「ありますよ、ふかふかに乾いたやつ。どうぞ。」

「サンキュー。」

「☆☆さん、どうですか?」

「ああ、まだ熱っぽいけど、大丈夫だ。」

「良かったー。☆☆さんがいないだけで、船内が妙に暗いんですよね・・・・・・僕、なんだか朝から落ち着かなくって。」

「・・・そうだな・・・・・・」

「あ、そうだ、☆☆さんが目を覚ましたら教えろって、ナギさんが。
 お粥作るみたいですよ。」

「ああ、わかった。」

 トワを見送ってから、部屋に入った。

 トワから受け取ったふかふかのタオルを、着替えと一緒に枕元に置く。

 相変わらず静かに寝息を立てている☆☆の額の濡れタオルを取って、洗面器でゆすぐ。
 膝をついて、タオルを持ったまま反対の手で髪を撫でた。

 汗が、じんわり肌を湿らせている。

 ・・・みんな、お前の事心配してるぞ。

 でも、オレだけだからな
 お前を心から愛してるのは。

 早く元気になって、笑顔を見せてくれよ。
 お前がそばで笑ってくれるだけで、・・・それだけで幸せなんだって気付いたんだ。

 絞ったタオルをそっと額に置くと、☆☆が目を開けた。

「ん・・・、・・・ハヤテ・・・・・・?」

「・・・具合どうだ?なんか、して欲しい事ねーか?」

「・・・喉、渇いた・・・・・・」

「よし、待ってろ、今持ってきてやるから。」

 立ち上がって部屋を出た。

 あ、ナギ兄のとこにも行かねーとな。

 ・・・・・・ソウシさんが、甘やかせって言ってたな・・・・・・
 甘やかすって、どんな風に?
 わがまま聞いてやるとか?・・・あんな状態で、あいつわがままなんか言うかな。

 ・・・・・・よし、とりあえず、お粥は食わせてやろう。







END


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

最近不調なので
こんな風に過保護気味に心配されてみたい。
いつもだと慣れてダメになりそうだから、
たまに。

ハヤテの愛情、伝わりましたでしょうか。




2011-06-21 (Tue) 00:31


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