恋に落ちた海賊王:ハヤテ

□落ちる
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恋人未満で妄想してみました。
前・後編
ヒロイン目線で。
ヒロイン登場しますが
名前設定の必要無しです。



「落ちる 前編」
ヒロイン目線で。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


 ハヤテさんと同室になって、船の生活にもなんとか少し慣れてきた。ハヤテさんは相変わらず素っ気ないけれど・・・でも、だいぶ話してくれるようになってきた気がする。

 厨房で夕飯の後片付けを手伝って部屋に戻ると、ハヤテさんの姿はなかった。

 ゆっくり溜め息をつきながらベッドに腰掛ける。

 また、稽古に出てるんだ。

 ハヤテさんは、毎日無茶苦茶稽古をする。

 一度だけその様子を覗いてしまったけど、声なんて掛けられなかった。一心不乱に自分の世界に篭っていて、私には立ち入れない。

 それが神聖でもあり、美しくもあり・・・でも、少し心配にもなる。

 毎日あんなに全力で、汗だくになって・・・倒れないかな。大丈夫かな。

 1人部屋で手持ち無沙汰な私は、とりあえず床掃除を始めた。

 ハヤテさん、汗だくで帰ってきたら床に座り込んじゃうんだよね。

 服はどうせ洗濯だろうしすぐにシャワー室に入るんだけど・・・でもせめて、床を綺麗にしといてあげたい。

 一通り床磨きをして乾いてきた頃、部屋の外からハヤテさんの足音が聞こえてきた。

 部屋に入ってきたハヤテさんは、ボロボロに疲れきって汗だくのドロドロだった。

 そのうち、本当に倒れちゃいそう・・・。

「あーーーーー、疲れた!」

 私の視線なんてまるで気にも留めずに、ドサッと床に体を投げ出して息を整えながら・・・・・・脱力してる。

「お、おかえりなさい・・・、だ、大丈夫ですか?」

「んぁ?」

「あ、その・・・立てます?シャワー室、行けますか?」

「あー、平気。少し休んだら。」

 全然平気そうに見えないけど・・・・・・・・・。

「・・・・・・」

 この“間”も、私には妙に気まずい。

 ハヤテさんを部屋に1人にしてあげた方がいいかな、とか、でもどこにいこう、とか、あれこれ逡巡して結局動けずにもじもじしているだけだった。

 そのうち、ハヤテさんがむくっと立ち上がる。

「シャワー室行ってくる。
 お前先寝とけば?」

「あ、・・・はい・・・」

 私の返事が終わるか終わらないかのうちに部屋のドアが閉まった。

 再び部屋に1人になる。

 先に寝とけって事は、一応私に気を遣ってくれてるんだよね。

 でも・・・ハヤテさんが後からベッドに入ってくると、目が覚めちゃうし・・・かと言って起きて待ってるのも変だし・・・。

 少しの間突っ立ってたけど、私は休む準備を始めた。







to be continued → last heroine eyes


2011-09-10 (Sat) 22:03


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