恋に落ちた海賊王:ハヤテ
□チョコレート
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「鍵」の続編。
ヒロインは医務室に寝泊りしている設定。
(ロイは出てきません)
前・中・後編。
「チョコレート 前編」
ハヤテ目線で。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
船長が、航海室に召集をかけた。
「皆集まったな。」
ぐるりと見渡すと、一息、短く息をつく。
「☆☆の部屋の事なんだが。
荷物が増えてきて、医務室が本来の役割を果たしにくくなってきた。
悪いが、☆☆には誰か船員と同室になってもらう。
☆☆、誰の部屋にするか選べ。」
「ゴメンね、☆☆ちゃん。」
ソウシさんが手を合わせる。
「結局そうなるのか。」
「でも、誰が誰だかわからなかった初日より選びやすいですよね?」
溜め息をついたナギ兄に、トワが無邪気に返した。
「どうする?」
船長が腕組しながら☆☆を見る。
「え、今決めるんですか!?」
「さっさと決めろ。」
面倒くさそうに言うシンに、思わず割って入る。
「あ、あのさ、別に今でなくてもイイんじゃねー?」
「考える時間が必要か?」
「あ、でも今日は満月の宴ですよ?準備と部屋の移動が重なるのは大変なんじゃ・・・」
「一理あるな。じゃあ☆☆、明日までに決めとけよ。」
トワの提言に船長が納得して、話は決まった。
解散する皆を、困ったように見つめる☆☆の姿が目に入り、一気に憂鬱になる。
・・・☆☆が誰の部屋を選ぶかはもうわかってるけど・・・・・・
持ち場に戻る一歩ごとに、たまらない気持ちになった。
ああ・・・ヤバイ
胸が、痛てぇ・・・・・・
鍵をかけると決めた気持ちが、隙間を縫って漏れ出てきそうだった。
宴の間中、なるべく☆☆とシンを視界に入れないように意識した。
ガキっぽい振る舞いだって事は、自分が1番わかってる。
だけど、しょーがねー。
他にどうすりゃいいかわかんねぇよ。
明日☆☆がシンの部屋へ行くと告げる時、なんとかして席を外していられる理由をぐるぐる考えながらガンガン飲んだ。
オレの知らない間に、事が決まって済んでて欲しい。
決定的な一言を、
☆☆の口から
☆☆の声で聞く事に、
耐えられるかどうかわからない・・・・・・
to be continued
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2011-09-22 (Thu) 23:18
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