恋に落ちた海賊王:ハヤテ

□trick or treat?
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せっかくなのでハロウィン妄想。
前・後編。



「trick or treat? 前編」
ヒロイン目線で。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


 コンコンコン。

「はぁい」

 ノックの音に返事をしたけれど、ドアの開く様子がない。声も聞こえてこない。

「?」

 一瞬背後のハヤテと目を合わせて、お互い首をかしげる。

 今は夕飯後のまったりした時間。みんなそれぞれ部屋に引き上げている。あわただしい様子もないし敵襲って事は考えにくいけど・・・。

「!」

 そっと伺うようにドアを開けると、そこには、目鼻口をくりぬいたカボチャを頭に被りマントで体を覆った何者かが立っていた。

「trick or treat?」

 そう言って、小さな袋を私の目の前に突きつける。

「と、・・・トワくん?」

「えへへ。そうでーす。お菓子くださいッ。」

「あ、そか、ハロウィンだ。」

「すげぇなそのカボチャ!ナギ兄が作ったのか?」

 気付かないうちにハヤテが私のすぐ後ろに来ていた。

「そうなんです、ナギさん特製ですよ!ハヤテさんもtrick or treat?」

「トリック、・・・?なんだそれ。」

「あぁ、お菓子をくれなきゃイタズラするぞっていう意味だよ。お菓子・・・なんかなかったかなぁ。」

 私は慌てて棚を探す。

 けど、ない。

 しまったー。前の港でお菓子を仕入れておくの忘れてた。

 飴玉の1つもないなんて。

「ごめんトワくん、なんにもあげられるものがないよ〜・・・」

「えーー。」

 トワくんが残念そうな声を上げる。

「ごめんね。」

「しょんぼりするなトワ、きっとシンが甘いモンしこたま隠し持ってるぞ!」

「そうですね、じゃあシンさんのところに行って来ます!あ、その前に・・・ハヤテさんちょっと目を閉じてもらえますか?」

「あぁ?こうか?」

 ごそごそと、トワくんがマントの中に手を入れる。

 と、思うと一瞬のうちにハヤテに布で目隠しをしてしまった。

「わっ!?コラトワてめぇ!」

「一応、イベントですから。☆☆さんも、手を軽く縛りますねッ。イタズラです。」

「え!?」

 カボチャの奥で無邪気に笑いながら、トワくんがもう一枚布を出す。

 その手際の良さと早業に圧倒されてしまって、私までほとんど無抵抗に縛られてしまった。

 ちゃんと、緩く、すぐほどけそうな強さで縛ってあってちっとも痛くはないけれど・・・。

「すぐ解けますよ〜、お2人でほどきっこしてくださいね。」

 ひらひらと手を振って、マントを翻すとトワくんは行ってしまう。

「ほんとかトワ!?なんか結び目が変だぞこれ!!」

 ハヤテが自力でほどこうとして、四苦八苦しながら叫んだ。







to be continued → last heroin eyes


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


2011-10-31 (Mon) 20:46


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