恋に落ちた海賊王:ナギ
□内緒の買い物
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恋海を始めたばっかの頃に思いついたネタ。
全5話
「内緒の買い物 1」
ヒロイン目線で。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「あ、生理用品がもうない・・・!」
確か、次の港町までまだ5日程かかる予定なのに・・・。
たぶん大丈夫とは思うけれど、自信がない。
前回から指折り日数を数えてみる。ギリギリ大丈夫のはず・・・でも私、あんまり正確な周期で来ないからなぁ・・・。
ため息が出た。
情けないなぁ…どうして、こういうとこ抜けてるんだろう・・・。
ナギさんの部屋で軽く途方に暮れる。
「おい。」
「は!ナギさん・・・」
慌てて棚に、自分の荷物袋を突っ込む。
いつの間にか、ナギさんがドアを開けて立っていた。
「・・・夕飯の支度手伝え。」
「うん。」
厨房でナギさんを手伝いながらも、頭から生理用品の事が離れない。
「あと5日・・・」
「どうした。」
「え?」
「え、じゃねーよ。あと5日って、お前が言ったんだろ。」
え!
まさか、口に出てた!?
「えと、その・・・・・・、次の港町に着くの、あと5日だったなぁ・・・って。」
「なんかあんのか?」
「・・・か、買いたいものがあって。」
そう言うと、ナギさんは、なんだ・・・という顔で作業に戻る。
「・・・食材やら備品の買い出しするから、ついでに買えばいい。」
う・・・。ナギさんと一緒に生理用品買うのなんて、恥ずかしくて無理なんだけど・・・。
そっとナギさんを見る。
私の視線に気付いたナギさんが、こっちを見た。
「なんだ。」
「う、ううん、・・・その、出来たら1人で、買いに行きたいかなぁ・・・なんて・・・」
「はぁ?」
ナギさんの顔が、ちょっと険しくなる。
「初めての町で1人で行動すんなって船長にも言われてるだろ。それでなくてもお前はいつも危なっかしーのに。」
「う、うん。そうだよね。」
でも、生理用品を買いたいって言うのも恥ずかしい・・・。どうしよう。
しばらく1人で悶々と悩んでしまった。
厨房にはイイ匂いが充満してきて、私はお皿の準備を始めた。
「あ!」
「・・・なんだ。」
「ソウシさんに付いて来てもらえばいいよね?」
「ドクター?」
この船に乗って初めて自分の物を買ってもらった時もソウシさんと一緒だったし、ソウシさんならお医者さんだから恥ずかしくない。
我ながら良い案だと思ったんだけど。
笑顔で言う私と対照的に、ナギさんは不機嫌な顔になっていた。
「1人じゃないし、ソウシさんなら・・・、・・・どうしたの?」
「別に。」
全然『別に』って顔じゃない。
「でも・・・。」
「でも、じゃねーよ。食卓準備して来い。」
追い払われるようにそう言われて、仕方なくフキンを持って食堂へ行った。
to be continued
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
2011-03-26 (Sat) 23:58
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