恋に落ちた海賊王:ナギ

□二人の時間
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ナギで妄想。
恋人になった後、という設定です。
全4話。
チョコレイトパンチの橘こころさんが
挿絵を描いてくださいました!



「二人の時間 1」
ナギ目線で。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


 洗い終わった皿をカチャカチャと積み重ねていく俺の隣で、皿を拭く作業をしていた☆☆が、突然大きな溜め息をついた。

「ナギは、偉いなぁ・・・。」

「・・・なにがだ?」

「毎日朝早くから夜遅くまで、たくさんの御飯を作って。」

 何を言い出すかと思えば。
 視線を自分の手元に戻す。

「それが俺の仕事だからな。」

「そ、そうだけど。でも、調理だけじゃなくって、栄養バランスと健康と美味を追究した献立を考えて、買い出しだってして、極めつけは大量の後片付けまで!!」

「だからそれが俺の仕事だ。」

 熱弁する☆☆を内心微笑みながら、表面は素っ気なく作業を進める。

「私だったらとっくに音を上げてる・・・。
 手抜きが始まって・・・それだけじゃなくて、文句が出てるよ・・・」

「・・・文句?」

「皆、後片付けくらい手伝ってよって。」

 半ばしょんぼりと溜め息混じりに呟いた☆☆の頭を、ワシワシ撫でてやりたいのをぐっと堪える。

「後片付けまで含めて俺の仕事だ。」

「でもッ、大量過ぎるよ〜!」

 再び☆☆の熱弁が始まった。俯き加減だった顔を上げて、俺を見詰めてくる。

 ☆☆の手は完全に止まっていた。

「食べるって事は生活の事でもあるわけだし、皆も、もう少し手伝ってもいいと思う!」

「・・・じゃあお前は、毎日全員が順番に後片付けをしに厨房に入るべきだと言うわけか。」

「え・・・っと、まぁ、そういう事になるかな。」

 今度は俺が溜め息をつく番だった。

「あのなぁ。他の皆だってそれぞれちゃんと仕事をしてるんだ。俺の仕事だけが特別大変なわけじゃねぇぞ。」

「それはそうだけど・・・。」

「・・・日替わりで全員に厨房に入って来られるなんて、考えたくもねーな。」

「で、でも、少しはナギの負担が減るんじゃ・・・」

 カチャリと最後の皿を置いて、俺もふきんを手に皿を拭く作業を始める。

「返って面倒くせー。」

「ええ!?」

「本当に手がまわらねぇ時には誰かが必ず助けてくれる。それ以外は、このままでいい。」

「・・・・・・」

 パチパチと瞬きをして、それでも納得のいかない顔のまま、☆☆も作業に戻った。

「ナギは、働き者なんだね・・・」

 ・・・違うだろバカ。

 こうやって過ごす二人きりの時間は、俺にとって癒しの時間だ。

 当然のように☆☆を独り占めできる、至福の時間。

 わざわざ他の誰かを介入させてたまるか。







to be continued


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


2011-12-08 (Thu) 13:43


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