恋に落ちた海賊王:ナギ

□Personal space
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ヤキモチについて妄想してみました。
前・後編



「Personal space 前編」
ナギ目線で。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


「よ、・・・と、あれ・・・?」

「・・・」

 俺より一足先に厨房に入っていた☆☆が、入り口付近でまごついていた。

「何してんだ。さっさと朝飯の準備始めるぞ。」

「あ、ナギ・・・。・・・バンダナ1枚貸して。」

「は?」

 ☆☆は俺を見ると、束ねようとしていた髪をほどいた。

「髪がうまくまとめられないんだもん。」

「・・・しゃあねぇな。」

 ☆☆にストックの1枚を渡すと、三角巾のようにバンダナをつけて満面の笑みを向けてくる。

「良かった、ありがとう〜!洗って返すからね。」

「・・・おぅ。」

 意外に似合うな・・・。

 バンダナをつけた☆☆はテキパキと準備を始めて流しへ向かう。

「じゃあこれ洗うね。荒みじんに切ったらいい?」

「ああ。玉ねぎも頼む。」

「はぁ〜い。」






「おはようございま〜す。」

「おお〜今日もウマそう!」

「あれ、☆☆ちゃん今日はバンダナなんだね。」

 食堂に集まってきた皆がイスに座っているところへ、☆☆と手分けして料理を運ぶ。


 最初に☆☆のバンダナに気付いたのは、やはりというか何というか、ドクターだった。

「えへへ、そうなんです。」

「似合うね、可愛いよ。」

「ほんとですか?」

「うん。ナギとペアルックで、新婚さんみたいだ。」

「え!」

 ・・・ッ!

 思わず動きが固まる。

「ほぅ、そういうプレイか。」

「へぇ〜ナギ兄がねぇ・・・」

「またこの微妙に巻き方を変えてるところが粋じゃねぇか、おい。」

「船長そういうの目ざといですね。」

「・・・お前ら・・・」

「ち、違うんです。これはですね、髪がうまくまとめられなくって今朝借りただけで・・・。」

 ☆☆は慌てて弁解しながら、急いでバンダナを外す。

「ああ、外さなくっていいのに。」

「ソウシがからかうからだろ。」

「いや、私はただ微笑ましいなと・・・」

「冷めないうちに、食いましょう。」

 ズイッと最後の一皿を置くと、一瞬皆が口をつぐむ。

「いっただっきまーす!」

 第一声はハヤテだった。

 それにつられて、皆も次々に食事の挨拶を口にして食べ始める。

 俺と☆☆も席に着いた。

「そういえば、☆☆さん髪が伸びたんじゃないですか?」

「え、そうかな?」

「言われてみれば・・・。」

 ☆☆の向かいに座っているトワの言葉に、トワの隣のドクターも頷いた。

「そっか、それで髪がまとめにくくなってきたんだ。」

 納得したように☆☆が自分の毛先をちょっとつまむ。

「次の港町で切りに行ったらどうだい?予定ではあと5日程だよね、シン?」

「そうですね。順調に行けばですが。」

「5日ですか〜・・・どうしようかな・・・」

「わざわざ金払って切りに行かなくっても、オレが切ってやろーか?」

「えっ、ほんとですか?」

 ☆☆がハヤテを振り返る。

「オレいつも自分で切ってるし、そろそろ切るところだからついでに切ってやるよ。」

「わぁ助かります!」

 ハヤテの言葉から、会話は髪の長さについての話題に流れていった。

 あと5日か・・・
 野菜が傷む前に、追加の保存食を作っといた方がいいな。

 皆の会話を聞きながらも、俺の頭の中は次の港町までの献立で7割方支配されていた。







to be continued → last nagi eyes


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


2012-03-09 (Fri) 00:55


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