恋に落ちた海賊王:トワ
□the eternal triangle
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「もしも、同室でヒロインに片思いだったら・・・」を、トワで妄想してみました。
「the eternal triangle」
トワ目線で。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
ジャブジャブと、浴槽に溜めた水でシーツを踏み洗いする音が軽快に響く。
「大変だけど、ちょっと楽しいね。」
少し汗を滲ませながらも、ほんとに楽しそうに笑ってくれる。
目の前の笑顔に、僕は癒される。
「すみません、当番じゃないのに手伝ってもらったりして・・・」
「ううん、全員分のシーツを洗うなんて重労働だもん、1人じゃ大変だよー。」
「ありがとうございます!」
彼女は、いつもとても優しくて、
明るくて、・・・・・・そして、芯が強い。
自分の置かれた環境を嘆くどころか、自然と溶け込んで毎日笑顔で接してくれる。
そんな彼女を見ていると、不思議と元気が出てくる。
・・・素敵な女性だって意識するようになるまで、全然時間はかからなかった。
「トワくんはいつも一生懸命だね。」
「えっ・・・そ、そうですか?」
「うん。でも、私も手伝うからいつでも言ってね。ナギさんにも、飯を食いたきゃ働けって言われたばっかだし。」
うふふ、と笑いながらなんでもないように会話を続ける彼女の声が、急に遠くに聞こえる。
気付いてしまったんだ。
最近会話の端々にナギさんが出てくる事に。
いつからだろう。どうしてだろう。
いつの間に彼女の心にナギさんが入ってしまったんだろう。
彼女の口からナギさんの名前が出るたびに、嫌な動悸がする。
「どうしたの?」
「いえ!次はこっちを洗いましょうか。」
僕には手の届かない、年上の人。
同じ部屋で寝起きしていても、こんなに遠い・・・。
でも、ナギさんは・・・・・・
「・・・・・・」
喉元まで出掛かった言葉を呑み込む。
「トワくん、水出すよ?」
「は、はい、お願いします!」
無邪気にシーツをすすぐ彼女には、やっぱり言えない。
ナギさんは、
僕らがくっつく方に賭けてた・・・・・・
僕じゃ、ダメかな。
僕、もっともっと一生懸命頑張るから・・・
「今はいいけど、冬の洗濯はツライね。」
「そうですね、冷たくて手が切れそうになっちゃいます。」
「トワくんは、偉いね。すごいよ。」
彼女の笑顔に、胸が弾む。同時に、痛む。
「・・・いえ、まだまだです。早く、一人前になりたいです・・・」
一人前の男に。
彼女に相応しい男に。
だから、僕を見て。
END
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
最初はこの「もしも同室で片思いだったら」シリーズを書くのが
恒例みたいになってきました。
トワくんは、一途で真っ直ぐなイメージ。
こんなコいないよーーー!と思いつつ、いたらいいなぁ〜と願う。
でも、黒いトワくんも妄想したら楽しそうだ!
なんて思ってしまうあたいは汚れてるかしら・・・
2011-04-13 (Wed) 14:16
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