恋に落ちた海賊王:トワ

□酔ってる時は。towa ver
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酔っ払っちゃったらどうなるのかなーという妄想を、トワでもしてみました。
恋人未満の設定で
トワが酔っちゃうバージョン。



「酔ってる時は。towa ver」
ヒロイン目線で。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


「よ・・・っと。なんでこう酔っ払いは重いんだろーなー。」

 酔いつぶれたトワくんを倉庫のベッドまで運んでくれたハヤテさんが、やれやれと呟く。

「ありがとうございます。」

「オレまた戻るけど、お前は?」

「あ、私は・・・もう少しトワくんの様子見てから、後片付けの頃戻ります。」

「そうか?じゃー任せた。」

 宴に戻っていくハヤテさんを見送って、ベッドのそばに戻る。

 眠るトワくんの為に、ランプの火を絞った。

 ほんとは消してあげたいけど・・・私の目が慣れるまで、ごめんね。

「うー・・・」

「トワくん、お水飲む?」

「僕もう飲めな・・・」

 苦悶の表情をするトワくんに、ちょっぴり苦笑いを浮かべながら声を掛ける。

「・・・大丈夫、もう部屋に戻ってきたよ。」

 いい子いい子するみたいにして、そっと髪を撫でた。

「ぅう・・・ん」

 トワくんの指が、私の手を探すようにして伸びてきたかと思うと、指先をきゅっと握る。

 その感触に、かすかに胸がときめく。

「ト、トワくん・・・?」

 すやすやと眠る顔は、こちらが癒される程無垢だった。

 ・・・そ、そうだよね、他意はないよね。

 ちょっとおかしくなってクスッと笑ってしまった。

 うふふ、トワくんだもんね。

「・・・ぅぅ」

 トワくんが少し唸るように顔をしかめた。

 ・・・頬が、上気してる。

 赤くなった頬を触ってみたら、見た目通りに熱くなっていた。

 冷たいものを当ててあげたら気持ち良いんじゃないかな?

 タオルを水で濡らして来ようかな?

 私の指先を握るトワくんの手をとんとんと軽く叩くように撫でてから、そっとはずす。

 確かタオルがこのへんに・・・

 トワくんの側を離れようとしたまさにその瞬間、後ろから伸びてきた腕に引き戻された。

「きゃ・・・ッ」

 思わず短く悲鳴に似た声を上げる。

 意外な程力強く抱き寄せられて、まるでトワくんじゃないみたいな気がした。

「ト、トワくんッ!起きてたの?」

「ん・・・」

 少しだけかすれたトワくんの声。
 顔が見えない分、余計に別の人みたい・・・

 抵抗するように少し身をよじらせるけれど、腕から逃げられない。

「・・・・・・」

 トワくんの腕は細いけれど、私の腕とは全然違う。

 男の人の腕。

 そう思ったとたんに、心臓がドキンと跳ね上がった。

 背中に感じる固い胸に、急に意識がいく。
 顔が燃えるように熱くなった。

 沈黙の薄暗い空間で、私はトワくんを「男性」だと自覚してしまった。

 いつものカワイイ笑顔も、癒されるようなほんわかとした雰囲気も、今はない。

 ドキドキが強まって息が苦しい程になった時、不意に私の体にトワくんの体重がかかってきた。
 うなじに顔を埋めるトワくんの唇が、肩に触れる。

 ・・・ゾクっと震えた。

「・・・ト、」

「☆☆さん・・・」

「は、はいッ」

「・・・気持ち悪い・・・・・・」

「え!?」

 一瞬で思考が切り替わる。現実に引き戻された気分だった。

「大丈夫!?吐きそう?」

「ううん・・・お水が欲しい・・・」

 慌てて準備した水を飲んで、トワくんはまた苦悶の表情を浮かべながらもウトウトと眠り始める。

 しばらく様子を見ながらそばについていると、険しい表情はだんだんと落ち着いて、そのうち穏やかになる。深い眠りについたようだった。

 ほっと一安心すると、急にさっきの光景が頭に浮かんできた。

 トワくんのあどけない寝顔を見つめながら・・・ドキドキがよみがえる。

 1度自覚してしまったら、もう男の人にしか思えない。

 話しやすくて可愛い弟みたいな存在から異性へと変貌した彼は、私の中に急に大きな波紋を広げていく・・・・・・

 自分の中の変化を予感しながら、私は火を絞ったランプを手に倉庫を出た。







END

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

ワタクシ実はまだ
トワくん続編未プレイなんです。
続編ではトワくんがガンガン来るらしいので
楽しみ・・・♪

酔っ払ったら・・・という要素を
思ったよりも活かせていませんが(汗)
年下で可愛い弟みたいなトワくんに
ヒロインちゃんが恋をするなら
彼がこんなにもちゃんとした
「男性」なんだって事に気付いて
異性として意識するシーンが必要かなぁと
思いまして。
恋が始まるタイミングは、
魔法にかかる瞬間ですよねッ


2012-01-13 (Fri) 23:12


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