恋に落ちた海賊王:番外
□トワと船長
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2万打リクエストです。
(一応・・・)
トワとリュウガ船長の
男の会話を妄想してみました。
トワ目線ですが、
主役はリュウガ船長・・・のつもり。
ヒロイン出てきません。
トワ目線で。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
夕飯の後、僕は倉庫へ戻る前に甲板で風に当たった。
「いてて・・・」
昼間にハヤテさんにやられた打撲が、ズキズキ疼く。
なかなか差が埋まらない。
焦らなくてもいいと思いながらも、気がついたら焦っていた。
壁にぶつかると言うと大げさだけど・・・もがく日が続いている事に、自分でも対処しきてれていなかった。
自然と溜め息が漏れる。
「珍しいな、トワ。」
「船長!」
振り返ると船長がすぐ後ろに立っていた。
・・・ぜ、全然気配を感じなかった・・・・・・、足音さえ。
「トワが物思いに耽る姿も、なかなか絵になるじゃねぇか。」
「そ、そうですか?」
僕の隣で、船の縁に寄りかかるように立つ船長の手には、お酒の瓶が握られていた。
「・・・船長、それ、海賊殺し・・・・・・」
「まぁ、こんな小さな瓶じゃ俺は殺せねぇがな。」
「これから晩酌ですか?」
「たまには夜風に吹かれて飲む一人酒もオツかと思ってな。」
「・・・僕も、ご一緒していいですか?」
「お!いいねぇ〜!グッといけグッと!」
船長はどこからともなく小さいグラスを出して僕に渡すと、海賊殺しを注いでくれた。
「い、いただきます!!」
思い切って一気に空ける。
船長の豪快な笑い声が響いた。
「船長みたいに、僕も堂々とした男になりたいです。」
「そうか?」
「・・・はい。常勝ってイメージがあるし・・・」
そう言って船長を見上げると、船長は優しい目をして小さく息を吐くと、視線を海へ流す。
「トワ。」
「は、はい!」
「敗けた事のない人間なんてのは、たいした価値はない。」
「えっ?」
びっくりして思わず船の縁をつかんで、乗り出すようにして船長を見た。
「お前は若い。若いうちにうんと負けて、挫折を味わっとけ。」
「ざ、挫折・・・ですか・・・」
「そうだ。そういう苦さを知らない男は、結局たいした器にはなれん。」
穏やかな顔のまま船長は僕に向き直り、ふたたび海賊殺しを注いでくれた。
グラスに満たされるお酒に視線を移したまま・・・船長の言葉の真意を汲み取れずにいると、肩をバシっと叩かれた。
「わわっ・・・」
「まぁ、這い上がってきてこその話だがな!死んだら元も子もない。命は粗末にするなよ。」
豪快に笑う船長に応えて笑顔を返しつつも、僕にはイマイチ話がピンと来なかった。
ピンと来なかったのに、自分で思う以上に強烈な印象を残して、いつまでも記憶の隅に残っていた。
もう少し時が経てば、船長の言葉が身に沁みるだろうか。
END
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
2万打リクエスト「リュウガ」が
なかなか出来なくて
一応、SS・・・。
船長は海賊王という地位に着くまでに
凡人には想像も出来ない程の
過酷な試練を乗り越え
いくつもの壁にぶち当たり
挫折や絶望も味わったんだろうと思います。
そして、そこから這い上がって
今を生きている。
そういう年月の積み重ねが
リュウガ船長を一段と色っぽくしているんだろうなぁと妄想していたら、
こういう会話になりました。
トワくんも深い男になってほしいですッ
長らくお待たせしたのに
こんな短いのでごめんなさいッッ!
ヒロインとのお話、原案はあるんですが
うまくまとまらなくって
書き直し7回目・・・
ちゃんとまとめていつか載せます!
がんばるッ
2012-03-02 (Fri) 11:56
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