恋に落ちた海賊王:ハヤテ

□my sweetest
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「my sweetest 2」
ヒロイン目線で。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


「・・・?」

 ハヤテの部屋の扉が開けっ放しになっている。

 不思議に思ってそっと覗いてみると、灯りはついているのに誰もいなかった。

「ハヤテ・・・?」

 開けっ放しでどこに行ったんだろう・・・?

「わッ」

 不意に、背中に軽い衝撃を受けた。

「あ、悪りぃ!」

 ハヤテの声と同時に、頭の上からクッションがいくつも降ってきた。

 びっくりして振り向くと、毛布を数枚重ねた上に数個のクッションを積んだハヤテが体勢を整えながら「ちょっとそこどいて」と言った。

 慌てて道を譲ると、ハヤテは毛布を床に置いて黙々とクッションを拾いはじめる。

「ど、どうしたの?これ・・・」

「あぁ、余ってるヤツ、全部借りてきた。」

 クッションを拾うのを手伝うつもりでナギさんからもらった包みをサイドテーブルに置いて、開けっ放しになっていた扉を閉めた。

「・・・・・・」

 なんとなく、扉の前から一歩を踏み出せない。

 な、なんだろう・・・この微妙な空気・・・。

 ハヤテのそばに行って色々聞きたいのに、なんとなくそんな雰囲気じゃない。

 ワケがわからずにハヤテを見ると、ハヤテは私から目を逸らした。

「えっと、オレ、今日床で寝るから。」

「えっ・・・」

 ・・・なんで?

 絶句してる私を置いてきぼりに、ハヤテは毛布の上にクッションを並べるとその上にまた毛布を敷いて下に敷いた毛布に巻き込んでいく。

 ベッドみたいにしてるんだとすぐにわかる。

 どうして?

「ゆ、床で寝ると、体痛いんじゃ・・・・・・」

 それに・・・・・・

 私がいないと寝られないって・・・
 言ってたのに・・・・・・。

「・・・・・・」

 無言のまま、ハヤテが立ち上がる。

「・・・・・・」

 ハヤテの背中を見つめる沈黙の時間が、言いようのない焦燥感を掻き立てた。

「ハヤテ・・・」

「お前、平気なのかよ。」

「え、」

「オレは平気じゃない。」

「・・・・・・」

 ハヤテが、何を言ってるのかわからなかった。

 こっちを向いてくれなきゃ。
 どんな顔して言ってるのかわかんないよ。

 胸が、締め付けられる・・・。







to be continued


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


2013-09-23 (Sun) 23:38


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