恋に落ちた海賊王:ナギ

□クッキー
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「もしも、同室でヒロインに片思いだったら・・・」を、ナギで妄想してみました。


「クッキー」
ナギ目線で。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


「そんで、室温に戻したバターを、・・・てめー、これ普通のバターじゃねーか。無塩のやつが別にあるっつったろ。」

「え!ごめんなさい!!」

 慌ててバターを探すこいつの後ろで、あくびを噛み殺す。

 朝飯の後片付けが終わったと思ったら、急にクッキーの作り方を教えてくれと頼まれて、今に至る。

「あ、あの・・・・・・」

「なんだ。無塩バターねぇか?」

「い、いえ・・・・・・その、出来たらクマさんの形にしたいんですけど・・・・・・」

「クマぁ?」

 ・・・・・・・・・トワか。

 このヤロ、自分で食うみたいな事ぬかしたくせに。

「無理、ですか?」

「・・・・・・型、取ってきてやるよ。」

 厨房を出ながら、急にあほらしくなってきた。

 なんで見張り明けの眠気をおして、他の男にやる食い物を一緒に作ってんだ俺は。

 倉庫から型を持って帰ると、俺を見てパッと笑顔になった。

「ありがとうございます!!」

「・・・おぅ。」

 反則なんだよその顔。
 別にいーかとか思っちまうだろ。

 クッキー作りを教えながら、ふと横顔を見る。

 トワの為に、そんなに一生懸命になりやがって。

 最初は・・・、柄にもなく微笑ましいとか思ってたんだが、いつからだろう。
 なんか、苦々しい気持ちになったのは。

「上手に焼けますように・・・!!」

 両手を合わせて、真剣にガスオーブンを見つめる。

「失敗しても、クマじゃなくても、トワなら喜んで食うだろ。」

「え!!私、トワくんの事言いましたっけ!?」

 言わなくても、見てりゃわかる。

「お前、顔に出てんだよ。」

「ひぇぇー」

 お前はいつも、トワを目で追ってる。
 いつも、最初にトワを見る。

「いーんじゃねーの、ガキ同士、お似合いだろ。」

 あ、今のは負け惜しみっぽかったか。

「もう!ナギさんはいつもガキガキって・・・」

 唇を尖らす。

 ガキだから、って思ってないと、・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・

「おら、焼けたぞ。」

「あ、可愛いーーー!!ちゃんとクマさんに見えますね!
 ありがとうございます、ナギさん!!」

 だから、その顔反則だっつってんだろ。

 口になんて、ぜってー出さねーけど。

 上機嫌でクッキーを持って出てく後姿を見て、また苦々しい感じがした。

「・・・・・・寝るか。」







END

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

自分の気持ちに気付くまでに時間がかかりそうなナギさん。
1人の人をずっと大切にしそうな印象です。




2011-03-06 (Sun) 13:59


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