恋に落ちた海賊王:ナギ

□ティータイム
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何か心をリラックスできるもの・・・と、妄想してみました。


「ティータイム」
ヒロイン目線で。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


 何だかスゴイニオイが漂ってくる・・・・・・

 夕食後、ナギさんに頼まれてレシピの整理を食卓でしていた私は、ふと顔を上げた。

 なんとも言えないニオイ。薬草のような・・・薬品のような・・・
 そしてそのニオイは、まさかと思うけれど、疑いようもなく厨房から漂ってきている・・・。

「何のニオイ・・・?」

 思わず席を立って、厨房へ向かう。
 厨房から漂ってくる匂いは、いつもとても美味しそうな良い匂いなのに。
 もしかして、厨房に立ってるのはナギさん以外の誰かかもしれない。
 ナギさんに見つかったら、3枚におろされちゃうよ〜〜〜
 私は、そぉーーーっと、厨房の様子を伺う。

「・・・ぅ・・・」

 厨房の中は、思わず息が止まるニオイで充満していた。
 ナギさんが、小さな鍋で何かを煮出している。

「・・・☆☆か。」

「な、ナギさん・・・何してるんですか?」

 ナギさんは、いつも頭に巻いてるバンダナを顔に巻いて、目だけ出している。

「ドクターに頼まれて、漢方を煮出してるんだ。」

「かんぽう・・・?」

「体にイイ薬草らしい。」

「薬草・・・」

 道理で。すごいニオイだと思った・・・。
 私は両手で鼻と口を覆いながら、鍋を覗き込んだ。

「すごいニオイですけど、これ、ソウシさんが飲むんですか?」

「ああ。こんなニオイの中で煮出したんだから、飲んでもらわねーとな。」

「もちろん。」

 不意に後ろから声が聞こえて振り返ると、ソウシさんがニコニコして立っていた。

「ありがとう、ナギ。いい感じに出来てるね。」

「ソウシさん、これ、本当に飲むんですか?」

「うん。☆☆ちゃんも飲む?これは寝る前に煎じて飲むものなんだ。明日の朝、体が軽く感じるよ。」

 えっ!それは嬉しいかも・・・!

 ソウシさんの言葉に一瞬心が動くけれど、猛烈なニオイの前にくじけてしまった。

「わ、私は・・・遠慮しておきます。」

「そう?体にいいのにな。じゃあ、もらっていくね。」

 ソウシさんは、ナギさんが用意したカップに漢方を注ぐと、そのカップを持って厨房を出て行った。
 ソウシさんが出て行くと、ナギさんはお湯を入れたポットとティーカップと、なにやら色々載せたお盆を持って食堂へ入っていってしまう。
 私は、慌ててナギさんについていく。

「厨房、後片付けしなくていいんですか?」

「もう少しニオイが飛んでから片付ける。」

 ああ、まだニオイが充満してるもんね・・・

「それ、なんですか?」

「こないだ手に入れたハーブティーだ。」

「ハーブティー?」

「厨房のニオイが飛ぶまで、食堂で飲む。お前も付き合え。」

「は、はい。」

 食卓に就くと、ナギさんは顔に巻いてたバンダナをはずしてテーブルに置いた。
 小さいポットにハーブを入れて、熱湯を注ぐ。イイ匂いがしてきたところで、ナギさんがカップについでくれた。

「わぁ!すごくイイ匂いですね・・・なんとなく、バラの香り?」

「ああ。」

「いただきます」

 一口飲むと、ほんのり甘くて優しい味がした。上品な香りが鼻から抜けて、なんとも幸せな気分になった。

「美味しい!なんだか、優雅な気分です!」

「疲れに効くらしい。」

「へぇーー。」

 でも、ナギさんがバラの飲み物を準備するなんて、なんか意外。ナギさんとバラ。
 すごいありえない組み合わせだ。

「何ニヤニヤしてんだよ。」

「え!?に、ニヤニヤなんて・・・」

「俺がバラなんて似合わねぇーとか思ってんだろ。」

「う!」
 
 図星過ぎて言葉に詰まる。言い訳が全く出てこない。

「・・・・・・女は、バラの匂いで癒されるらしい・・・って、ドクターが言ってたんだよ。」

「へ、へぇ・・・」

「肌が、綺麗になるらしいしな。」

「・・・なるほど・・・・・・?」

「何きょとんとしてんだよ。」

「い、いえ・・・」

 だって、その流れだと、まるで私の為に準備してくれたみたいじゃない・・・?

 なんとなくドキマギしちゃって、私は慌ててハーブティーを味わって誤魔化す。
 ハーブティーを飲んでホッとため息をつくと、自分の吐息が、ほんのりバラの香りのような気がした。

 すごい、素敵・・・。こんな飲み物が、海賊船で飲めるなんて。

「・・・ナギさん、バラのハーブティーとか、よく飲むんですか?」

「んなわけねーだろ。」

「・・・」

 じゃあ、やっぱり・・・私の為に用意してくれたんだ。
 食卓でレシピの整理しろなんて、変な感じがしたんだよね。
 最初から、漢方を煮出したらハーブティーを出してくれるつもりだったんだ。
 嬉しいな。

「なんだよさっきから。ニヤニヤすんな。」

「に、ニヤニヤじゃありません、ニコニコです。」

 私がそう言うと、ナギさんはちょっとだけ笑って、ハーブティを飲んだ。

 2人だけのティータイム。

 なんて贅沢でゆっくりした時間。

 漢方を飲むソウシさんに感謝しなきゃ。
 それに・・・・・・・・・

「ナギさん。」

「あ?」

「ありがとうございます。」

「・・・ああ。」

「うふふ。」

「・・・・・・後で片付け手伝えよ。」

「はい!」

 照れた顔をカップで隠すナギさんがすごく可愛くて、幸せな時間が心を癒していく。

 こんな素敵な時間をありがとう。
 私、ナギさんが好きだ。大好き。
 ナギさんの隣に、ずっといたいな・・・・・・。







END

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

急いで書いたから、うまくまとまったかな。
食を通じて、皆の健康を担うナギさん。
きっとヒロインの体の事、誰よりも気遣ってるんだろうな。
夜に、こんな風にナギさんと2人でティータイム出来たら
きっと素敵だよねぇぇぇ!!
くぅぅぅ( *≧艸≦)




2011-03-17 (Thu) 21:17


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