恋に落ちた海賊王:ナギ

□because...I love her
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「もしもプフの実を食べたのがヒロインだったら・・・」と、妄想してみました。
恋人前設定で。
全12話+前置き1p



「because…I love her 1」
ナギ目線で。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


「ッ!」

 厨房のドアを開けて目に飛び込んで来たのは、トワに抱きついている☆☆の姿だった。

 倉庫に道具を取りに行ってる間に、なんでこんな事になってんだ!?

「お前ら何して・・・!」

 強引に二人を引き離しながら言いかけて、ハッとする。

 視界の端に、毒抜きする前のプフの実がキッチンの天板に出ているのを確認したからだ。

 まさか、こいつ・・・

「ナナ、ナギさん!違うんです!☆☆さんが急に・・・」

 慌てて弁解するトワに視線を移すと、トワは更に言い募った。

「僕にも何がなんだか!厨房に入ったら☆☆さんがいて、僕を見るなり知らない名前を叫んで、それで、・・・あのッ、」

 泡を食っているトワとは対照的に、☆☆はどこを見てるかよくわからない目をしていた。

「本当に、元気で良かった・・・会えて嬉しい・・・」

「・・・・・・」

 無言でいると、いくらか落ち着きを取り戻したトワが口を開いた。

「あの、僕の事、弟さんと間違えてるみたい・・・・・・」

 やっぱり・・・!

 プフの実に視線を送ってから☆☆を見る。

「・・・お前、これを食ったのか?」

 ☆☆はプフの実を見て、ゆっくり頷いた。

「なんですかこれ?すごく良い匂い・・・」

 トワが手を出そうとしたのを止める。

「これはプフの実だ。美味いんだが毒があって、生で食べると幻覚作用が出る。・・・ドクターを呼んでこい。」

「は、はいッ!」

 事態を呑み込んだトワが走って出て行くと、☆☆が急にハッとしてトワを追いかけようとした。

「待って!行かないで!!」

 駆け出した☆☆の腕を、ギリギリのところで後ろから掴む。

「落ち着け!あれはお前の弟じゃない!」

「離してください!」

 予想外の力強さで、一瞬手をすり抜ける。

「☆☆!」

 手加減無しに腕を掴んで引き寄せた。

「離してぇ!!」

 本気の抵抗にこっちも力の加減が出来ない。

 泣きながら暴れる☆☆を、強引に抱き締めた。

「どうして!?せっかく・・・会えたのに・・・ッ!」

「・・・・・・」

「うっ、うぅ」

 言葉を、何もかけてやれなかった。

 ただ、行ってしまわないように抱え込む事しか・・・。







to be continued


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


2014-09-22 (Mon) 16:46


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